世界のヘッジファンド、米地銀株急落で利益=JPモルガン

Nell Mackenzie

[ロンドン 5日 ロイター] - JPモルガンが3日に出した顧客向けノートによると、米地銀株が先週急落したことで、世界のヘッジファンドは含み益を得たとみられる。

ニューヨーク州を地盤とする銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が予想外の赤字決算を発表し、同行の株価が40%余りも下げたことで、KBW米地銀株価指数は1月31日に約8%下落した。銀行セクター全体に混乱が広がると懸念されたためだ。

データ・分析会社オルテックスによると、NYCBを含む一連の米地銀を空売りしていたヘッジファンドは、2日終わった週に約10億4000万ドルの含み益を得た。

JPモルガンのノートによると、ヘッジファンドは昨年12月にいったん地銀株の空売りを断念したが、その後心変わりして、年初に大量の空売りを仕込んだ。

1月には大手銀行の空売りも増えたが、大半のヘッジファンドは大手銀行株については今も上昇を見込むポジションを組んでいるという。

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