歴史的町並みつくる建物を新たに2件指定 繊維産業の繁栄を伝える 群馬・桐生市

れんが造りが特徴ののこぎり屋根工場

 群馬県桐生市は、歴史的風致形成建造物として、「旧株式会社金芳織物工場事務所およびのこぎり屋根工場」(東久方町)と「旧金谷家住宅および旧株式会社金芳織物工場染色場」(同)の2件を新たに指定した。桐生の繊維産業の繁栄を伝える建物で、歴史的な町並みを構成する要素として評価された。

 建物はいずれも国登録有形文化財で同一敷地内にある。1919(大正8)年建設ののこぎり屋根工場はれんが造りで、昭和初期の事務所の外壁はスクラッチタイルが使用されている。和風建築の旧金谷家の主屋は31(昭和6)年に建てられ、その裏手にある染色場は19年に設けられた。

 のこぎり屋根工場はベーカリーカフェ、主屋はギャラリー兼飲食店として活用され、市民に親しまれている。

 市役所で指定式が行われ、建物を所有する会社の経営者、武田俊雄さん(79)に対し、荒木恵司市長が桐生織で織られた指定標識を手渡した。

 武田さんは「素晴らしい建物を残さなければいけないと頑張ってきた。市と協力して、今後も長く守っていくための方法を探りたい」と話した。

 指定された建造物は計16件となった。

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