彼杵鯨肉が事業停止 長崎県内で唯一、入札会を開催 新型コロナ禍で業績悪化

 長崎県内で唯一、鯨肉の入札会を開いていた東彼東彼杵町蔵本郷の鯨肉加工卸業「彼杵鯨肉」(板谷康司社長)が昨年12月末までに事業を停止し、事後処理を代理人弁護士に一任したことが5日までに分かった。
 帝国データバンク長崎支店によると、同社は1950年8月に設立。鯨肉や鮮魚などの加工卸売りを担い、ピーク時の2001年3月期は年間売上高約5億円を計上していた。
 原材料価格高騰や鯨肉消費量の低下から徐々に規模を縮小。新型コロナ禍でホテル・飲食店の需要が減り、業績が悪化した。
 23年3月期の売り上げは約7200万円にとどまり、債務超過となっていた。今後の業績回復が見込めず、事業継続を断念。通信販売の受け付けも昨年末に停止した。負債額は調査中としている。
 鯨肉の入札会は設立以来、月1回開催していた。

© 株式会社長崎新聞社