米業界団体が金融当局を提訴、地域再投資法の規制強化巡り

Pete Schroeder

[ワシントン 5日 ロイター] - 米国銀行協会や全米商工会議所を含む米銀行業界・経済団体は5日、銀行に公平な融資を義務付ける地域再投資法(CRA)の規制強化に向けた新規則に関し、無効化を求めて3つの規制当局を提訴した。

業界側は新規則が規制当局の法的権限を超えており、複雑すぎて融資を阻害する恐れがあると主張。係争中の仮差し止めも申し立てた。

銀行規制を担う連邦準備理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)は昨年、1977年に成立したCRAに関する新規則を最終決定した。

銀行協会のロブ・ニコルズ最高経営責任者(CEO)は「連邦規制当局がパブリックコメントに対応せず、規則作りの重大な欠陥を修正しなかったことから、われわれは不本意ながら訴訟提起を余儀なくされた」と表明した。

CRAはマイノリティーなどに対する差別的慣行を防止する狙いがあるとされており、新規則では銀行が低所得者向けにローンなどを提供するよう求められる地域が広がった。

当局は規制強化について、オンライン銀行の台頭と銀行支店の減少を反映して時代に即した内容にする必要があったとしている。

© ロイター