【京都記念】参考レース振り返り データは有馬記念組優勢も、能力上位はベラジオオペラ

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

春のGⅠへと繋がる一戦

近年の京都記念優勝馬の顔ぶれを見ると、ラブリーデイ、サトノクラウン、クロノジェネシス、ラヴズオンリーユーなど国内外の春GⅠで活躍した馬たちが名を連ねる。今年の主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。

有馬記念【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【2-0-2-6】勝率20.0%、連対率20.0%、複勝率40.0%

2014年デスペラード、2021年ラヴズオンリーユーが有馬記念からの転戦で勝利しており、相性が良い。

昨年はラストランのタイトルホルダーが逃げ、向正面に差しかかると後続を引き離す展開になった。勝ち馬ドウデュースは、序盤に後方4番手の外を追走するも、勝負所の4角で3番手までポジションを押し上げていった。最後はスターズオンアースとの追い比べを制し、グランプリ制覇を果たした。

プラダリアは道中3番手からレースを進めたものの、直線では伸びきれず14着。相手が強すぎたというのもあるが、機動力のあるタイプではなく、上位馬が34秒台の上がりを使う決着となっては分が悪かった。今回のメンバーに入れば上位争いに割って入る力はある。

エリザベス女王杯【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【1-1-0-4】勝率16.7%、連対率33.3%、複勝率33.3%

2020年にクロノジェネシスが勝利。エリザベス女王杯と同じ舞台設定ということもあってか、出走6頭中4頭が京都記念で3番人気以内に支持され、全て4着以上と適性の高い馬が出走する傾向が見られる。

レースは、アートハウスがじわっとハナに立ち、それをマークする形でローゼライトが追走して、3番手以下を引き離す展開になった。直線で馬群がバラけると、道中5番手にいたブレイディヴェーグが真ん中よりやや内から突き抜け、GⅠ初制覇を果たした。

7番手からレースを進めたルージュエヴァイユは、直線で勝ち馬より1頭分内から伸びるも、ゴール前で脚色が同じとなり3/4馬身及ばず2着。勝ち切れないレースが続くが、ここで重賞初制覇となっても不思議ではない。

中山金杯【データ:B メンバーレベル:D】

過去10年の成績【1-3-0-7】勝率9.1%、連対率36.4%、複勝率36.4%

最近では2019年ステイフーリッシュ、2022年タガノディアマンテ、2023年マテンロウレオが2着と好走。勝ち切れないが、近2年連続で連対馬が出ている。

レースの主導権を握ったのはゴールデンハインド。ホウオウアマゾンがピッタリと2番手につける展開で前半1000m通過は1:00.5だった。勝ち馬のリカンカブールは4番手のインを追走し、直線で外へと持ち出す競馬。最後は突き抜けて1:58.9の勝ちタイムで勝利した。

トップハンデタイの58.5kgを背負って出走したマテンロウレオは7着。道中は12番手あたりを追走し、直線は大外へと持ち出すも勝ち馬と0.4秒差だった。2走前のチャレンジCでも、今回出走予定の1着ベラジオオペラと0.3秒差という内容。上手く噛み合えば一発あってもい。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

チャレンジC【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-0-0-3】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%

3頭が出走して、馬券圏内への好走はなし。2016年ヒストリカルと2022年ジェラルディーナの4着が最高着順となっている。

レースは、テーオーシリウスが逃げて2番手にフリームファクシという隊列になるも、馬群はひと固まりとなって前半1000mを59.9で通過した。道中5、6番手の馬群で脚をためたベラジオオペラは直線で外へと持ち出し、最内から伸びたボッケリーニとの追い比べをハナ差制した。勝ちタイムは1:58.8だった。

ベラジオオペラは約半年ぶりの実戦だったが、日本ダービーで勝ち馬タスティエーラとタイム差なし4着だったのも頷ける好内容。今回のメンバーに入っても能力は最上位だ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。



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