仮想空間で土浦市PR 17日から サイクリング疑似体験 茨城

土浦市のメタバース「バーチャルつちうら」の画面。アバターの後ろの球体はサイクリング疑似体験コーナー

「自転車のまち」を㏚するため、茨城県土浦市は17日、インターネット上に3次元の仮想空間「メタバース」を開設する。アバター(分身)を通して誰でも参加でき、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」でのサイクリングを疑似体験できる。市が5日、発表した。市によると、メタバースの本格実装は県内自治体で初めて。

市は将来的に、仮想空間での高校生の音楽ライブや各種講演会の開催、市民ギャラリーの企画展の再現なども視野に入れる。

メタバースは、NTT東日本の関連会社が提供するプラットフォーム「DOOR」に開設する。名称は「バーチャルつちうら」。自転車の疑似体験、動画の視聴提供、地元名産品の紹介、イベント開催などを行う各エリアを設ける。DOORのホームページから入ることができ、専用のIDやパスワードは必要ない。

市政策企画課によると、名産品紹介エリアは各事業者のサイトとリンクさせ、販売促進につなげる。動画エリアでは花火大会やサイクリングの光景などの映像を提供する。イベントエリアは講演会や展示会を現実空間と並行して開くこともできる。アバターを通して参加者同士が交流できる利点もある。

自治体が地域おこしにメタバースを生かす事例が増えており、同課によると、山梨県の婚活イベント、福岡県の相談窓口などで活用されている。県内では守谷市が2022年、市制施行20周年記念式典時に一時的に開設した。

同課は「これまでと違う視点から市をPRし、遊び心やゲーム心をくすぐる形で、老若男女誰もが土浦を体験できる場所にしたい」としている。

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