瀬戸康史、武田航平…『仮面ライダーキバ』愛を見せた俳優たち。当時の反響は?

若手俳優たちにとって一種の登竜門となっている「仮面ライダー」シリーズ。今から遡ること15年前……2008年に放送を開始した『仮面ライダーキバ』に出演したキャストも当時大ブレイクを果たしました。

『仮面ライダーキバ』は、主人公の紅渡とその父である紅音也の物語が描かれ、2000年代と1980年代の物語が交錯する斬新なテーマが大反響を呼んだ作品です。時を超えた父と子の絆に涙したのを鮮明に憶えています。

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昨年、本作に主演した瀬戸康史さんと武田航平さんがあるテレビドラマで共演し、変身ポーズを決めてのツーショット写真を公開。変わらぬ“仮面ライダーキバ愛”にファンが喜びを爆発させたのも記憶に新しいところです。

そんな瀬戸さん、武田さんを初めとした本作のライダー俳優たちは、現在、どのような活躍を魅せているのでしょうか? 当時の反響とともに振り返ります。

ハマり役の完璧な演技!紅渡役:瀬戸康史さん

『仮面ライダーキバ』で主人公の紅渡役を演じた、瀬戸康史さん。
1988年5月14日福岡県に生まれた瀬戸さんは、2005年当時17歳の時にD-BOYSオーディションで準グランプリに輝き、芸能界デビューを果たしました。

翌年には、人気俳優を多く輩出してきた『ミュージカル テニスの王子様』で菊丸英二役を演じ注目を集め、2008年には『仮面ライダーキバ』の主演に早くも抜擢されることになります。

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同作で演じた紅渡というキャラクターは、仮面ライダーとしては珍しい人見知りでおとなしいタイプの主人公でした。

瀬戸さん自身も人見知りな性格であることから、演じる上で自身の性格を反映させることができたと語っているように、まさにハマり役と言えるような完璧な演技で、紅渡というキャラクターを体現しました。

個人的には、普段は頼りない性格の渡が敵のファンガイアに立ち向かう際に、表情がキリッと変わる瞬間が大好きでした。

また、『仮面ライダーキバ』放送中には、テレビドラマ『恋空』(TBS系)の主人公・ヒロ役にも起用され、若手俳優として頭角をあらわしていきました。

この頃からすでに超草食系の紅渡と金髪でワイルドなヒロという正反対の役どころを見事に演じ分けることができており、実力派俳優の片鱗を見せていたのが印象深いです。

『仮面ライダーキバ』放送終了後は、5人組ユニット「D⭐︎DATE」のメンバーとして活動したほか、ショートフィルム『10年目の告白』で監督を務めるなど、多岐に渡って活躍。

俳優としても、2014年、吉沢亮さん、桐山漣さんとの仮面ライダー俳優共演も話題になったテレビドラマ『ロストデイズ』(フジテレビ系)で、とある事件に巻き込まれていく青年を好演したほか、連続テレビ小説『あさが来た』『まんぷく』(ともにNHK)などに出演を果たしました。

近年は、テレビドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)で深田恭子演じる泥棒一家の娘・華の恋人で刑事の桜庭和馬役や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)で“トキューサ”こと北条時房役をコミカルに演じてたことでも記憶に新しいですね。

2020年にはモデル兼女優であり、アニメや漫画好きでも知られる山本美月さんと結婚しています。

屈指の人気を誇った紅音也役:武田航平さん

紅渡の父親にあたり、1980年代パートでは主人公的役割を果たす紅音也役を演じた、武田航平さん。

1986年1月14日東京生まれの武田さんは15歳の頃から芸能界で活動しており、多くの舞台で活躍。ゲーム『ファイナルファンタジーⅫ』では主人公のヴァン役として、声優とモーションキャプチャを兼任しており、デビュー当初からかなりの場数を踏んできました。

2008年すでに経験豊富なキャリアを積んでいた武田さんは『仮面ライダーキバ』にて準主役の紅音也役に抜擢されます。
女好きだけど一流のバイオリニストである音也は、いざという時に非常に頼りになる存在で、そのギャップが魅力的なキャラクターでした。

のちに仮面ライダーイクサに変身することになり、その変身ポーズでは初代仮面ライダーである本郷猛をイメージしたと言います。

物語が進むにつれて、息子である渡との絆にもフォーカスされており、「仮面ライダー」シリーズ屈指の親子の物語を紡いだと言えるでしょう。

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その後、連続テレビ小説『ウェルかめ』、大河ドラマ『軍師官兵衛』(ともにNHK)などへの出演を経て、2018年、約10年ぶりの「仮面ライダー」シリーズとなる『仮面ライダービルド』に出演。劇中の3号ライダーとなる仮面ライダーグリス/猿渡一海役を演じました。

当初は主人公の敵ライダーとして登場するのですが、回を重ねるごとに、仲間意識が芽生え始め、最終的にはメンバーに欠かせない存在感を発揮。

仲間想いの熱い男である一方で、アイドルオタクの一面も持つコメディリリーフ的な役割を果たし、シリアスになりがちな終盤の展開で、一際魅力を放っていたと言っても過言ではありません。

その人気は屈指のものがあり、Vシネマ『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』では主演を務めるなど、根強い人気を誇っています。
近年は、FOD配信のBLドラマ『オールドファッションカップケーキ』でも魅力的な演技を披露しています。

さらに前述のように、2022年には瀬戸さんが出演するテレビドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)にゲスト出演し、14年ぶりの共演を果たしたことでも話題になりました。

また、俳優だけでなく、自身が熱狂的な読売ジャイアンツファンであることから、雑誌「月刊ジャイアンツ」内で「武田航平の巨人直撃企画『G RIDER』」という連載を持っていたこともありました。

数々の名言で人気に。名護啓介役:加藤慶祐さん

そして、最後に紹介するのは、劇中の2号ライダーである仮面ライダーイクサこと名護啓介役を演じた、加藤慶祐さん。

1988年9月2日埼玉県生まれの加藤さんは、学生時代、テニスの選手として優秀な成績を残していましたが、怪我のためその道を諦めることになってしまいました。

そんな中、友人から芸能界への道を勧められ、2006年にデビュー。2008年より『仮面ライダーキバ』で名護啓介役を演じたことで、イケメン俳優として頭角をあらわしました。
「その命、神に返しなさい!」のほか、数々の名言で人気を博したキャラクターで、クールな容姿とのギャップもまた魅力的でした。

その後、俳優として活動する傍ら、アパレルブランド「スターリアン」の代表を務め、2017年以降は残念ながら俳優活動を行なっていないようです。

15年経った現在でも“愛”を忘れていない『仮面ライダーキバ』キャストの皆さん。今後も様々な方面で活躍する皆さんを応援していきましょう。

(執筆:zash)

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