京都でもかつて大地震あった 能登半島地震で見られた隆起や液状化現象も

発掘や文献からかつての大地震をひもといた講演会(京都府亀岡市余部町・ガレリアかめおか)

 生涯学習かめおか財団が主催する講演会「丹波学トーク」のシリーズ「地震と亀岡」が、このほどガレリアかめおか(京都府亀岡市余部町)で始まった。1回目は地震考古学者の寒川旭さんが、1596年に京都で大きな被害が出た「慶長伏見地震」など大地震の日本史をひもといた。

 寒川さんは、元日にあった能登半島地震により各地で起きた液状化現象について「遺跡の地層にも痕跡が残っている」と説明。慶長伏見地震では稗田野町太田の遺跡でも見つかっていて、曽我部町の與能神社の棟札には地震の記述があることを紹介した。

 同じく能登半島で見られた隆起は、過去の地震でも発生していると強調。秋田県の象潟(きさかた)を例に挙げ、かつては内海に島が浮かぶ景勝地だったが、1804年の地震で隆起して陸地になったとした。能登半島や亀岡盆地もかつての断層活動で誕生しており「地震はみなさんの住む場所をつくっている良い側面もある」と指摘した。定員の70人が熱心に耳を傾け、関心の高さを伺わせた。

 2回目は2月10日に開かれる。東京大学地震研究所の大邑潤三助教が「1830年文政京都地震による亀岡盆地および周辺の被害について」と題して講演する。午後1時半~3時半。無料。

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