表紙の見返しに1863年… 写真家ベアトの初期アルバム、160年ぶりに帰浜 幕末の風景や人々写す

寄託されたアルバム。幕末の横浜の風景をとらえた写真などが収められている=31日、横浜市中区の横浜開港資料館

 横浜を拠点に、幕末から明治初期の日本各地を撮影した英国人写真家フェリーチェ・ベアトの最初期のアルバムが、横浜開港資料館(横浜市中区)に寄託された。当時、英海軍の将校が入手したものを、三陽物産(同)代表取締役社長の山本博士さんが競売で落札。表紙の見返しに「1863(年)」などと記されており、約160年ぶりに横浜に戻った。同館は調査・研究の後、一般公開することを検討している。

 同館で1月31日、報道陣に公開されたアルバムは縦約36センチ、横約47センチ、厚さ3.5センチ。写真38枚、水彩画2枚が台紙に貼られている。

 赤茶色の絹表紙の見返しに「Yokohama Desember 20th 1863」と日付が記されており、写真はベアトが1863年12月以前に撮影したものとみられる。また、1ページ目に「No.10 F Beato」とナンバリングと署名があることから、ベアトの日本での活動初期に制作されたものとみられ、歴史資料としての価値が極めて高いという。

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