チリ森林火災、123人死亡 2010年地震以降で最多

[5日 ロイター] - チリ中部で大規模な森林火災が発生し、5日までに123人が死亡した。ボリッチ大統領はテレビ演説で国が「大変な悲劇」に見舞われていると述べた。

当局によると、依然数百人が行方不明となっており、今後さらに死者が増える恐れがある。山火事で壊滅的な被害を受けた丘陵地や家屋で多くの遺体が見つかっている。

山火事は2日に火の勢いが増し、観光客に人気の港湾都市ビニャデルマルとバルパライソの周辺で被害が発生。首都サンティアゴの西に位置する両都市周辺には100万人以上が住んでいる。

ロイターがビニャデルマルで撮影したドローンの映像では、地域全体が焦土と化し、住宅の屋根が焼け落ち、道路には黒焦げになった車が散乱している様子が確認できる。

当局は最も大きな被害を受けた地域に午後9時からの外出禁止令を発令し、消防活動を支援するために軍隊を派遣した。

ボリッチ大統領は前日、5日から2日間を服喪期間にすると発表。さらなる悪いニュースに備えるべきだと述べていた。

テレビ演説したボリッチ氏は「チリ全体が苦しみ、死者を悼んでいる。われわれは大変な悲劇に直面している」と述べた。

政府高官は4日、国内で165件の火災が発生し、ビニャデルマルとキルプエだけで推定1万4000戸前後の住宅が被害を受けたことを明らかにした。

南半球の夏に山火事が発生するのは珍しくはないが、チリでこれほど多数の死者が出るのは2010年の地震で約500人が死亡して以来。

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