豪中銀の声明全文

[シドニー 6日 ロイター] - 本日の理事会では、キャッシュレートの目標を4.35%に据え置くことを決定した。為替決済残高に支払われる金利も4.25%で据え置く。

インフレ率は第4・四半期も引き続き低下したが、こうした進展にもかかわらず依然として4.1%と高水準にある。モノのインフレ率は11月の中銀予想を下回った。世界的な供給網の混乱が収束し、国内需要が緩和したことを反映して減速が続いている。

一方、サービスのインフレ率は中銀の事前予想に沿って低下ペースがより緩やかで、なお高水準だ。これは経済が引き続き超過需要の状態にあり、国内で労働と非労働の両面で投入コストの上昇圧力が強いことと整合的だ。

金利上昇は経済の需給バランスをより持続可能なものにすることにつながっている。従って労働市場の状況は緩やかな緩和が続いている。ただ持続的な完全雇用とインフレ目標に整合的な水準よりも引き締まったままだ。

賃金の伸びは持ち直したがこれ以上の伸びは期待できず、生産性の伸びが長期平均程度まで上昇すれば、インフレ目標との整合性は保たれる。高インフレは依然として人々の実質所得を圧迫しており、個人消費の伸びは弱く住宅投資も鈍い。

明るい兆しはあるものの景気の先行きは不透明で、理事会は引き続きインフレリスクに細心の注意を払っている。中心的な予想では、インフレ率は2025年に目標レンジの2─3%へ低下し、26年にレンジの中間値に戻る。需要が緩和し労働コストと非労働コストの伸びが鈍化するにつれて、サービスインフレは徐々に低下すると予想される。雇用は今後も緩やかに増加し、失業率と幅広い未活用労働者比率はもう少し上昇すると予想される。

海外ではモノのインフレに良好な兆しが見られるが、サービスインフレは続いており、国内でも同じことが起こる可能性がある。また中国経済の先行きやウクライナと中東の紛争がもたらす影響については、依然として不透明感が強い。国内では金融政策の効果の遅れのほか、労働市場が引き締まっている時期に企業の価格決定と賃金が景気減速にどのように反応するかについても不確実性がある。個人消費の先行きも不透明だ。

理事会の優先事項はインフレ率を合理的な時間枠内で目標に戻すことだ。これは物価の安定と完全雇用という中銀の責務に合致する。理事会はインフレ率が目標レンジに向かって持続的に推移していることを確信する必要がある。これまでのところ、中期的なインフレ期待はインフレ目標と整合的であり、この状態を維持することが重要だ。

最近のデータはインフレ率が低下していることを示しているが、なお高い水準にある。インフレ率が持続的に目標レンジに戻るまでにはまだしばらく時間がかかると予想している。

インフレ率が合理的な期間内に確実に目標に戻るようにするための金利の道筋は、データとリスクの評価次第で、金利のさらなる引き上げを排除することはできない。理事会は引き続き世界経済の動向、内需の傾向、物価と労働市場の見通しを注視していく。インフレ率を目標に戻すという決意に変わりはなく、そのために必要なことを行う。

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