三菱重、今年度の受注高6兆円 防衛やガスタービン好調で過去最高に

Nobuhiro Kubo

[東京 6日 ロイター] - 三菱重工業は6日、2024年3月期の受注高見通しを4000億円引き上げ、6兆円に上方修正した。ミサイルなどの防衛装備やガスタービンが好調で、過去最高を大きく更新する。

受注高はエナジーや航空・防衛・宇宙など4事業すべてで上振れる。これまでの過去最高は2015年3月期の4兆6991億円だった。

通期の連結業績予想(国際会計基準)は売上収益のみ上方修正し、前年比4.7%増の4兆4000億円へ1000億円上積みした。連結の事業利益は3000億円のまま据え置いたが、航空・防衛・宇宙を従来の500億円から600億円に上方修正した。

売上収益、事業利益、純利益いずれも過去最高を更新する。

会見した小沢寿人最高財務責任者(CFO)は来年度の見通しに言及し、「経済の動向が見通しづらくなっている」と説明。複数の主要国で重要な選挙があることや金利が変動していることなどを挙げ、「注意深く見ていかないといけない」と語った。

23年4─12月期業績は、事業利益が前年同期比82%増の1916億円だった。防衛・宇宙、製鉄機械、物流機器の売り上げが伸長した上、値上げや円安なども寄与した。売上収益、事業利益、純利益いずれも過去最高を更新した。

同社は3月31日時点の株主を対象に1対10の株式分割を実施することも発表した。投資単位を引き下げて投資家層の拡大を図る。

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