任天堂、今期は一転営業増益に スイッチ堅調で販売予想引き上げ

Miho Uranaka

[東京 6日 ロイター] - 任天堂は6日、2024年3月期連結営業利益予想を前期比1.1%増の5100億円に上方修正した。従来予想は同0.9%減の5000億円だった。3月に発売8年目となる家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売が堅調で、円安も業績を押し上げる。

任天堂はスイッチを1500万台から1550万台へ、ソフトも1億8500万本から1億9000万本へと販売予想を引き上げた。期末の前提為替レートも1ユーロ=150円から155円に変更。業績予想の上方修正に伴い、年間配当金を1株当たり189円へと増配した。

「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」、ゼルダの伝説「ティアーズ オブ ザ キングダム」、「ピクミン4」などの新作ゲームが順調に販売を伸ばした。「マリオ」映画の効果で関連のゲーム販売も好調で、古川俊太郎社長は「勢いをもってクリスマス商戦に突入することができた」と語った。

スイッチも前年比で減少しているとはいえ7年目のハードとしては「非常に堅調な販売ができている」として、来期も「スイッチを軸にビジネスを続けていく予定」との考えを示した。

IBESがまとめたアナリスト23人のコンセンサス予想では、24年3月期通期の連結営業利益の平均値は5425億円。

スイッチの後継機について、古川社長は相次ぐ観測報道を否定。「常に新しいハードウエアやソフトウエアの研究開発を行っている」と述べるにとどめた。

「ポケモン」との類似性が指摘されているポケットペア(東京・品川)の「パルワールド」については、一般論とした上で、「自社の知的財産権を侵害しているものに対しては、適切な対応を取ることになる」と話した。

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