KDDI、ローソンにTOB実施へ 三菱商事と折半出資に

Hiroko Hamada Shinichi Uchida

[東京 6日 ロイター] - KDDIは6日、ローソンに対しTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOB成立後に一連の手続きを経て、最終的に議決権所有比率はKDDIが50%、ローソンの親会社である三菱商事が50%となる予定。KDDIによる取得総額は約4971億円。

TOB価格は1株1万0360円(6日終値は8913円)で、4月ごろをめどに公開買い付けを開始することを目指している。ローソン株は上場廃止となる。ローソンはTOBが開始された場合、現時点では賛同意見を表明するとしている。

KDDIは2019年にローソンと資本業務提携し、現在2.11%の株式を保有する。高橋誠社長は共同記者会見で、昨年5月に三菱商事から今回のスキームの提案があったことを明らかにした。「時代の変革期なので思い切った投資はいいこと」と判断したという。コンビニは社会インフラとして非常に重要な役割があり、「われわれの持つ通信・DXの力をフル活用して、未来のコンビニを実現してもらいたい」と述べた。

ローソンへの出資拡大を通じて「スマホを是非とも売りたいと思っているわけでは決してない」とも語った。

三菱商事は2000年にローソンに出資し、17年には子会社化した。出資比率は50.06%。中西勝也社長は今後を見据えて「三菱商事だけではローソンの企業価値を上げていくのは限界がある」との認識を示し、KDDIの顧客基盤や技術を掛け合わせて新たな価値の提供にチャレンジすると語った。

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