【京都記念/危険な人気馬】重賞ウイナーながら“消し”の根拠 「ここはベスト条件にあらず」

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今週は、春の中長距離戦線を見据える上でも重要な一戦、第117回京都記念(GII、芝2200m)が京都競馬場で行われる。

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今年は、昨年暮れのチャレンジCを制したベラジオオペラ、エリザベス女王杯2着のルージュエヴァイユ、昨年の当レース2着マテンロウレオ、条件クラスを連勝で勢いに乗るブレイヴロッカーなど、登録馬は12頭と少ないものの、突出した存在はなく、波乱決着も頭に入れておきたい。

そんな中、重賞2勝の実績馬プラダリアが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

■非根幹距離への対応力がカギ

3歳春に青葉賞を制し、日本ダービーでは5着に入るなど、クラシック戦線を沸かせたプラダリア。その後は勝ち星に恵まれなかったものの、昨秋の京都大賞典で復活の勝利を飾り、ビッグタイトル奪取へ向けて、今年は京都記念から始動する。

重馬場の京都大賞典を制するなど、今の時計のかかる京都コースは、得意ともいえる馬場状態。しかし、全3勝を芝2400mで挙げており、非根幹距離となる芝2200mで、この馬のパフォーマンスが存分に発揮できるか、疑問符が付く。

過去10年の勝ち馬10頭はすべて、それ以前に芝1800mか2200mで勝ち星を挙げており、非根幹距離への対応力は長けていた。一方、2018年3着レイデオロの例があるように、非根幹距離が初経験だった場合、ダービー馬でも取りこぼす可能性は秘めている。

プラダリアは芝2200mのレースで、昨年の日経新春杯や京都記念で3着と好走歴はあるものの、勝ち切れていない点はマイナス材料。ベストパフォーマンスを発揮できる距離は、クラシックディスタンスではないだろうか。

また、プラダリアは前走の有馬記念では14着に大敗。過去10年の京都記念で、前走有馬記念組は【2.0.2.6】とまずまずの結果を残しているものの、2桁着順からの好走は、2019年3着マカヒキと、21年1着ラヴズオンリーユーの2例のみ。しかも、どちらもGI馬であったことから、巻き返す素地はあったと言える。

有馬記念以外のGIで調べてみても、2桁着順から巻き返した例は、2016年1着サトノクラウン(天皇賞・秋17着)のみ。本馬はそれ以前にGI勝ちはなかったが、日本ダービー3着、芝1800mで2勝と、GI実績や非根幹距離での経験値は持っており、その点が、今回のプラダリアとの違いであろう。

過去10年の京都記念で、ディープインパクト産駒の成績は【1.5.4.15】と、複勝率こそ高いものの、意外と勝ち切れていない。次第に現役馬が少なくなってくるディープ産駒の1頭として、ビッグタイトルを掴みたいプラダリアだが、今回に限っては、好走できる材料が乏しく、妙味を考えると、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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