兵庫県姫路市は6日、優れた著書や研究に贈る第36回和辻哲郎文化賞の受賞作を発表した。一般部門は元北海道新聞論説委員でノンフィクション作家小坂洋右氏（62）の「アイヌの時空を旅する―奪われぬ魂」、学術部門は嶺秀樹関西学院大名誉教授（73）の「絶対無の思索へ コンテクストの中の西田・田辺哲学」が選ばれた。
市によると、小坂氏はアイヌ民族の歴史や伝統文化に迫り、従来の北方史を新たな視点から語り直すことを試みた。嶺氏は、近現代ドイツ哲学に影響を受けた日本人哲学者らの思想の変化や本質に迫った。
賞は姫路市出身の哲学者、和辻の功績を記念して市が設立。授賞式は3月3日に姫路市市民会館で開かれる。
