前腕負傷で途中棄権のルネに会場からブーイング!母親は「症状が緩和しない場合プレーを中止すると決めていた」と説明<SMASH>

先週行なわれた男子テニスツアー「南フランス・オープン・モンペリエ」(1月29日~2月4日/フランス・モンペリエ/インドアハードコート/ATP250)のシングルス準決勝で、右前腕の負傷により試合途中での棄権を余儀なくされた世界ランク7位のホルガー・ルネ(デンマーク)について、同選手の母親でマネージャーのアネケ・ルネ氏がケガの状態を説明した。

先のテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)ではまさかの2回戦敗退を喫した20歳のルネ。それでも気を取り直して臨んだモンペリエ大会では第1シードとしての意地を見せ、初戦(2回戦)でパブロ・リャマス・ルイス(スペイン/現147位)、準々決勝ではマイケル・モー(アメリカ/同115位)に勝利して今季2度目のツアーベスト4へと進出していた。

ところが現地2月3日に実施されたボルナ・チョリッチ(クロアチア/元12位/現31位)との準決勝では苦戦を強いられ、2度のブレークを喫して3-6で1セットダウン。第2セットに入ってからも右前腕の痛みからプレーの質が上がらなかったルネは、ゲームカウント1-4と大きくリードされたところで途中棄権を表明し、無念の準決勝敗退となった。
このほどデンマークのテレビ局『TV2』のインタビューに応じたアネケ氏によれば、「息子は金曜日の準々決勝からヒジと前腕に痛みを感じていた」という。

チョリッチの勝利まであと2ゲームしかないにもかかわらずプレーをやめたルネには、会場から大きなブーイングが寄せられたが、それについてもアネケ氏は致し方ないことだったと弁明。続けて同氏は「現時点では今回のケガが息子に長期的な影響を与えるという懸念はない」と断言し、詳細を次のように説明した。

「試合中に痛みを感じ、筋肉を治療しても症状が緩和しない場合はプレーを中止するとチームで決めていた。明らかに彼は痛みに悩まされているから、1度休息をとって(心身を)落ち着かせる必要がある。自分の身体からの信号を真摯に受け止めなければならないのは言うまでもないわ」

次戦は「ABNアムロ・オープン」(2月12日~18日/オランダ・ロッテルダム/インドアハードコート/ATP500)に出場予定のルネ。最近の彼はどこか故障しがちなだけに心配は募るが、ロッテルダムでは無事にプレーできることを願いたい。

文●中村光佑

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