併合下のウクライナ東部リシチャンスクに空爆、28人死亡とロシア発表

ロシア政府は5日に、ウクライナ東部で占領しているリシチャンスクの店舗ビルが3日に空爆され、少なくとも28人が亡くなったと発表した。

空爆された建物には、パン屋やレストランが入っていたという。

ロシアは、西側諸国製の武器が使用されたと主張。ウクライナによる「テロ行為」だとしている。

ウクライナ政府はコメントしていない。一方、ウクライナの軍事ブロガーらは、攻撃当時、建物には「協力者」とロシア当局者がいたと主張している。

ロシアが併合を主張している「ルガンスク人民共和国」のトップは、この攻撃によって緊急事態担当相が殺されたと発表。建物内のレストランで誕生日を祝っていたという。

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ウクライナ国防軍が「高齢者や家族連れの地元住民が土曜日に買い物に来ること」を知っていながら、故意にパン屋を狙ったのだと述べた。

BBCは、死者数やロシアとウクライナ双方の主張について、独自に検証・確認できていない。

ルハンスク東部に位置するリシチャンスクは、2022年7月にロシアに占領された。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日、南部ザポリッジャ州を訪問する中で、前線に近いロボティネ村を訪れた。ソーシャルメディアには、地下シェルターと思われる場所で、ゼレンスキー氏がメダルを渡す様子が写った写真が掲載された。

ゼレンスキー大統領をめぐっては、ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官を近く解任するのではないかと憶測が流れている。

イタリアの放送局「RAI1」は4日、このうわさについて質問されたゼレンスキー大統領のインタビューを放映した。ゼレンスキー大統領は、ザルジニー将軍には具体的に言及しなかったものの、「リセット」が必要で、幹部陣の間での顔ぶれ刷新も必要だと述べた。

ロシアのウクライナ全面侵攻から2周年が近づくにつれ、ウクライナ軍は大きな成果を上げるのに苦労している。2023年夏に始まったウクライナの反転攻勢は、今のところ、ロシアに掌握された領土の大部分を取り戻すことができていない。

(英語記事 Lysychansk: Dozens killed in strike on Russia-held Ukraine city

© BBCグローバルニュースジャパン株式会社