タイのタクシン元首相、仮釈放へ 与党関係者「今月下旬に」

2023年8月、タイ・バンコクの空港に帰国したタクシン元首相=(ロイター=共同)

 【バンコク共同】タイ政権与党でタクシン元首相派の「タイ貢献党」関係者は6日、汚職罪などで実刑を言い渡されて警察病院に入院中のタクシン氏が「今月下旬に仮釈放される見通しだ」と共同通信に明らかにした。海外逃亡中だったタクシン氏が帰国した昨年8月から半年に当たる22日に合わせる可能性が高い。

 関係者によると、タクシン氏は党の役職には就かず、政治に関わらない意向だとしている。ただ、政界に強い影響力を保持しており、有権者からの人気も根強い。特に党支持者が多い地方を訪れれば、政権の安定にもつながる。

 タクシン氏は昨年8月の帰国後、首相在任中の汚職罪などで計8年の刑期を言い渡され、9月に国王の恩赦で1年に短縮されていた。高血圧などを理由に入院し、実質的にほとんど収監されていない。高齢や健康状態が仮釈放の条件を満たしたと判断される見通しだが、特別扱いとの批判も高まりそうだ。

 タイ貢献党は昨年の総選挙後、長年対立した親軍派政党と組む大連立を主導。タクシン氏は新政権発足に合わせて帰国していた。

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