大地震に備える 防災士に聞く いま私たちがするべき防災とは

突然やってくる地震に備えるため、いま、私たちがするべき防災とは…。奈良県防災士会に話を聞きました。

5日、奈良市内で開かれたのは、市内の自治会などで結成する「自主防災組織」で、「防災リーダー」を務める人を対象にした研修会です。講師の一人を務めた奈良県防災士会理事長の末田政一さんです。一人一人の防災意識の向上が求められるなか、最も大切な心構えがあると話します。

奈良県防災士会 理事長・末田政一さん

「まずは地域のために何ができるか、自分の身は自分で守るということが一番みんなのためになってくることですね。」

県内で被害が予想される主な地震は、京都府南部から桜井市まで伸びる「奈良盆地東縁断層帯」による地震、そして、駿河湾から日向灘にかけてのプレート境界を震源とする「南海トラフ巨大地震」です。

このうち、南海トラフ巨大地震が発生した場合、奈良県には大きなリスクがあると話します。

奈良県防災士会 理事長・末田政一さん

「南海トラフの場合違うのは、大阪や和歌山も被災しますよね。そのときにそちらの方が支援の優先になってしまいますので、奈良はなかなか支援が届かない。そうすると、自分たちでなんとかしていかなあかん。自分の身を守ったうえで、その後被災されたあとの生活が、何週間、何カ月って続いているわけですよね。そのための備え、準備が必要になります。」

では、必要な準備とは。末田さんのポケットから出てきたのは…。

奈良県防災士会 理事長・末田政一さん

「笛がね。私いつも持ち歩いているんですけど。」

笛は閉じ込められたり動けないときなど、誰かに助けを求める際に必要だといいます。備蓄する食料については…。

奈良県防災士会 理事長・末田政一さん

「災害=非常食と思っている方が結構多いんですが、ずっと(非常食が)続くとやっぱり喉通らないですよね。自分で買うんだったら、自分の食べたいものを買っておくのがおすすめです。チョコレートが好きなので結構揃えていますね。日持ちもするので。」

そして、末田さんはできるところから楽しんで防災に取り組むことを呼びかけます。

奈良県防災士会 理事長・末田政一さん

「自分の中の生活の一部として 防災も頭の中でシミュレーションしてもらえるだけで十分です。それだけで、命が助かるかどうかの瀬戸際になってきます。防災というのも色々なことがあります。誰かに言われたから、しゃあないからやるのでは駄目。まず、自分のやりたいことをやってください。」

災害を知り、地域で生かす。大切な命を守るために何をするべきか。末田さんは「自分のこととして考えてほしい」と話しています。

© 奈良テレビ放送株式会社