彼岸前に造花作り最盛期 福島県会津美里町の山浦工房

丁寧に造花を仕上げる山浦さん(右から3人目)ら

 春の彼岸を前に、仏壇などに供える造花作りが福島県会津美里町勝原の山浦工房で最盛期を迎えている。

 工房を営む山浦軍兵さん(93)が近所の女性の助けを受けながら作業に励んでいる。金紙で作ったハスの花と、赤やピンク、黄色などに染めた和紙を重ねて仕上げたキクの花を一つ一つ手で組み立てている。

 寒さの厳しい会津地方では、生花の代わりに造花を春の彼岸に飾る風習が根付いている。山浦さんによると、会津地方ではかつて40、50軒ほどで生産していたが、現在はわずかとなった。「伝統を守り続けたい」と話している。作業は3月末まで続く。

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