“大麻類似製品“ 指定薬物を販売か…販売店の経営者ら2人を逮捕 商品購入者が救急搬送も(静岡市)

指定薬物を販売目的で所持していたとして、警察は5日、静岡市にある販売店の経営者ら2人を逮捕しました。大麻に似た成分を含む商品を販売していたとみられるこの販売店。体調不良を訴える購入者もいたということです。

(片山記者)

「容疑者の男が捜査員に連れられて出てきました。フードで顔を隠しています」

警察によりますと、静岡市葵区両替町にある販売店の経営者とみられる男(36)と元従業員の男(18)は、2023年11月、指定薬物「HHC」を含む乾燥植物を販売目的で所持していた疑いが持たれています。警察は5日夜、男が経営していたとみられる販売店を家宅捜索しました。捜査で店を訪れた捜査員が乾燥植物を発見し、押収して鑑定した結果、指定薬物と判明したということです。

この販売店はSNS上で「合法商品を扱っているお店です」と発信していました。警察によりますと、この販売店は2023年9月「グッドチル」という名前から「スマッシュアップ」という名前に変更。

「合法」をうたい、大麻に似た成分を含む商品を販売していたとみられ、2022年1月、この店の商品を購入し、服用した若い男女2人が体調不良を訴え、救急搬送されたこともあったということです。

警察は5日の家宅捜索で商品などを押収し、指定薬物の入手ルートなどを詳しく調べています。

【スタジオ解説】

「指定薬物」とは、幻覚や興奮をもたらし、人の身体に危害が発生するおそれがある物質を厚生労働大臣が指定した薬物です。指定薬物をめぐっては、2023年、大麻に似た成分を含むいわゆる“大麻グミ”を食べた人が相次いで体調不良を訴えたことが大きな社会問題となりました。

“大麻グミ”から検出された「HHCH」という成分は2023年、新たに指定薬物に追加され、販売や所持・使用が禁止されました。

一方、今回、摘発された店は「HHC」という成分を含む商品を販売していましたが、この「HHC」は2022年に、指定薬物に指定されていました。「HHC」も大麻に似た成分が含まれていて、“合法大麻”として若者を中心に広まっていました。

厚生労働省は、危険ドラッグが海外から輸入され、乱用されることがないよう対策を強化していますが、“いたちごっこ”のような状況になっているのが現状です。

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