4世紀の木棺、埋葬時のまま 奈良の富雄丸山古墳、保存良好

割竹形木棺の調査成果について説明する奈良市教育委員会の担当者=6日午後、奈良市の富雄丸山古墳

 国内最大の蛇行剣と盾形銅鏡が出土した奈良市の富雄丸山古墳(4世紀後半、円墳)で、粘土に覆われていた割竹形木棺から、木棺内部を仕切る「仕切り板」や、末端部の「小口板」が埋葬時のまま立った状態で見つかり、市教委が6日、発表した。木棺は長さ5m以上、幅64~70センチで、保存状態が極めて良い。市教委は「腐らずにここまで残っている例は非常に珍しい。木棺構造を考える上で第一級の史料だ」としている。

 市教委は、盾形銅鏡から出た銅イオンによる殺菌効果などが、良好に残った要因としている。木棺は未盗掘で、内部から金属反応があり、今後、副葬品を確認する。人骨などはまだ見つかっていない。

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