節分に行われるはだか祭 川に入り飛び込み参加もOK 「心男」に触れることで厄落とし 岐阜・大垣市

「はだか祭」といえば愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」を思い浮かべる人も多いと思いますが、岐阜県大垣市にも負けず劣らずの熱気の中で行われる「はだか祭」がありました。

東海地方の「はだか祭」といえば、愛知県稲沢市の天下の奇祭「国府宮はだか祭」が全国的にも有名ですが、知名度こそ劣るものの熱気は勝るとも劣らない「はだか祭」が、岐阜県大垣市で毎年開催されています。

1200年以上もの歴史があるといわれる寺「宝光院」には、右目で天上、左目で地上を見つめて世の中を見守る「ひだりめ不動尊」がまつられ、人々の篤い信仰を集めています。

この寺で毎年2月3日の節分に開催されるのが「宝光院はだか祭」です。

近くを流れる水温10℃の杭瀬川を渡って身を清めているのは、約100人のはだか男たち。

この祭り、当日参加もオーケーで、中には県外からの参加者も…。

(東京から来た参加者)
「東京からです。10年以上出ている。厄を落としたくて」

厄を一手に担う「心男(しんおとこ)」

宝光院の「はだか祭」が現在の形になったのは戦後から。

先々代の住職が中心となり、戦争で疲弊した町を盛り立てようと「1年の厄払い」ができる祭りとして連綿と続いてきました。

そんな祭りで、はだか男たちの厄を一手に担うのが「心男(しんおとこ)」です。

(心男 高嶋泰道さん)
「緊張と不安と興奮が入り交じっている」
(心男の経験者)
「なるようになる」

「心男」は毎年、過去の心男経験者たちから任命されます。

はだか男たちは酒で清められた「心男」に触れることで厄を落とすことができる一方、その厄を全て受け止める心男は寺にまつられている「ひだりめ不動尊」の力で1年間守られます。

そして、いよいよ祭りはフィナーレの俵に入った木製の剣を奪い合う「福徳利剣木授与(ふくとくりけんぼくじゅよ)」へ。

剣を取れば一年間、福を得られるとされています。

見事に剣を取った参加者は…。

(若山剛弥さん)
「まだ手が震えてて…。ことしの厄はなくなりました。あとは突っ走るだけ」

岐阜県大垣市でも行われる「はだか祭」。

これからも厄を落とす、地域のお祭りとして受け継がれていきます。

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