嫁「みんなでいただきますしようね」義姉「待ちなさい!!」義実家の夕食で、義姉が怒鳴り出した理由にあ然

食事の前に「いただきます」、食後に「ごちそうさまでした」というのは日本特有の文化で、そこに魅力を感じる外国の方もいるようです。
今回は「いただきます」がきっかけのトラブルに巻き込まれてしまった私の知人、Tさんから聞いたお話です。

義実家の集まりで

当時Tさんは旦那さんと結婚したばかり。

ある日、旦那さんのお姉さんの子の誕生日祝いを義実家でするので、腰の痛い義母に代わって料理を作ってくれないかと頼まれました。

義両親との関係も良好だったので、Tさんは「構いませんよ」と子どもの喜びそうなメニューを考えて当日は朝早くから買い出しに行き、その足で義実家へ行きました。

しかし旦那さんのお姉さん、つまり義姉はかなりワガママで性格のきつい人だったので、少しの不安を抱えつつ、ハンバーグやナポリタンを作るTさん。

義姉は早めに来たにもかかわらず、何も手伝わずに子どもとリビングでテレビを観ていました。

いただきます、と言わせたら

「Tさんごめんね、はい材料費」
痛む腰をさすりながら、義母が台所へやってきて封筒を差し出しました。
「ありがとうございます、お料理これでいいですか?」
「すごいわ、とっても美味しそう」
義母は義姉に料理を並べるよう指示しましたが、義姉は「そんなの嫁にやらせなさいよ」とだけ言ってTさんの方を見もしません。

「私がやりますよ」
「ごめんね、うちの娘がワガママで……」
義母は大きなため息をつきました。

そして料理を並べ終え、皆がテーブルに着いたときでした。
「あ、まだだめだよ」
義姉の子が我先にと料理に手を伸ばそうとしたので、Tさんはそっとそれを止めました。
「みんなでいただきますしてからにしようね」
「はーい」
義姉の子は素直に手を引っ込めました。するとそれを見ていた義姉が突然大きな声を張り上げたのです。
「ちょっと、アンタ何言ってんの!?」

屁理屈をこねる義姉に……

「え、いただきますしようねって……」
「なんで嫁の作ったもんなんかに、うちの子がいただきますなんて言わなきゃいけないのよ!? 材料費出してんのはうちの親なのよ? 偉そうに説教たれてんじゃないわよ!!!」

Tさんは義姉の屁理屈に、返す言葉もありませんでした。誰がお金を出したという問題ではなく、いただきますと言うのが当たり前だと思っていたからです。
「おい、何言ってんだよ」
Tさんの旦那さんが義姉をいさめますが、義姉は聞く耳も持たずにいきなり持っていたフォークをテーブルの上のハンバーグに突き刺し、食べようとしました。

「ちょっと待った」
そんな義姉の腕を掴んだのは、義母でした。
「そう、お金を出したのは私。一銭も出してないあんたが何を怒ってるの? 私はお金出したけどちゃんと言うわよ、いただきます!」
義姉を上回る大きな声で「いただきます」と言う義母につられ、テーブルにいる全員が「いただきます」と言って食事が始まりました。

義姉は真っ赤な顔でTさんをにらみつけ、「こんなの食べたくない!」と言って部屋を出て行ってしまいました。

「さあ、お誕生日のお祝いしようね」
誰も義姉を追うことなく、きょとんとした義姉の子を中心にお誕生日会が開催されました。

その後、義姉の子は毎回食事の際に「いただきます」の言える良い子に育っているそうです。

誰が作ったか、お金を出したかではなく、食べ物に対する感謝の気持ちを忘れてはいけませんね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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