茨城県内降雪 転倒で9人重軽傷 276校が臨時休校 スリップ事故62件

雪が降る中、通常より遅い時間に登校する小学生たち=6日午前9時42分、水戸市元吉田町

5日から6日にかけて続いた降雪で、茨城県内では歩行者などの転倒で9人が重軽傷を負ったほか、県西地域を中心に降雪や路面凍結によるスリップ事故が62件発生した。小中高や特別支援学校など公立校は276校が臨時休校。始業時間を2時間程度遅らせる短縮授業を実施したのは430校に上った。

水戸地方気象台によると、5日午後9時に下妻市で7センチ、6日午前2時に大子町で4センチの積雪を観測した。水戸市では6日昼ごろまでみぞれを観測し、その後は雨に変わった。

県や消防のまとめでは、同日正午現在、稲敷市の男性(62)が稲敷警察署のスロープで転び、左足の骨を折る重傷。牛久市では70代女性が雪かき中に転倒し、右肩骨折の疑いで病院に運ばれた。つくば市では、自転車に乗っていた60代男性が転んで頭にけが。ほかに水戸やつくば、下妻、古河の4市で、20~70代の男女6人が路上などで転倒し軽傷を負った。

県警交通総務課によると、同日午前9時現在、降雪によるスリップ事故62件のうち、約7割に当たる43件が県西地域で発生。このほか県南12件、県北4件、県央3件だった。

常磐自動車道は5日から柏インターチェンジ(IC)-桜土浦IC間で通行止めが続いていたが、6日午前9時までに解除。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の常総IC-青梅IC間も同日午後3時に通行止めが解除された。

県教委によると、小中学校の臨時休校は、日立やつくばみらいなど13市町の全校と、常陸大宮市と大子町の一部を含む224校。県立高や特別支援学校の臨時休校は計52校に上った。

このほか、水戸や笠間、土浦など27市町村の学校計430校が、登校時間を2時間前後遅らせる対応を取った。県立下館一高と同高付属中ではオンライン授業を実施した。

水戸市元吉田町では同日午前9時40分ごろ、本来の登校時間から約2時間遅れで登校する児童の姿が見られた。児童たちは雪が降る中、傘を差しながら寒そうに学校へ向かっていた。

県警は、7日朝も日陰や橋の上、坂道などで路面が凍結する可能性があるとして、運転時は車間距離を長めに取り、速度を控えるよう呼びかけている。

側溝にはまって傾いた軽乗用車=石岡市太田付近(画像の一部を加工しています)

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