欧州のUCITSファンド、昨年380億ドル流出 金利上昇で=調査

Nell Mackenzie

[ロンドン 6日 ロイター] - 調査会社ケプラー・アブソリュート・ヘッジによると、欧州のUCITSファンドの2023年の資金流出入は380億ドルの純流出だった。

22年も580億ドルの純流出となっていた。金利上昇で個人投資家が資金を引き揚げた。

UCITSは「譲渡可能証券への集団投資事業(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)」の略。欧州連合(EU)で販売されているファンドで、個人投資家を保護するため厳しい規制が課されている。

ただ、金利上昇で投資家の運用の選択肢が広がったため、UCITSファンドは苦戦を強いられている。

ケプラーの幹部は「UCITSファンドの昨年のリターンはまずますだったが、リスク・フリー・レートが上昇したため、投資家の好みが変わった」と述べた。

昨年の平均運用成績は4.3%で、2010年以降で3番目の高水準だった。

「より高いボラティリティーとリスク・フリー・レートを上回る多様なリターンへの意欲が高まっている。新商品投入のハードルは上がった」という。

同社が調査対象とするUCITSファンドの運用資産は23年末が2400億ドル。2022年末は2780億ドルだった。

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