猫の『危険な嘔吐』を見極めるためのポイント4選 場合によっては命に関わることも

1.頻繁に吐く

猫は毛玉を吐くなど体調不良以外でも日常的に吐くことがあります。しかし頻繁に吐く、連続して吐くといった場合は注意が必要です。

数日に1回程度で食欲があるなら、様子を見ても大丈夫なことが多いですが、元気がない、1日に複数回吐く、短時間に繰り返し吐くといったときは、病気や誤飲、中毒などが考えられます。誤飲や中毒は時間勝負の場合もありますので、早急に動物病院を受診しましょう。

また連日のように吐く場合は、慢性的な病気が隠れている可能性があります。

いずれにしても、吐きつづけることで脱水状態になるなど、症状を悪化させる原因にもなり得ます。

2.吐いたものに血が混ざっている

吐瀉物(としゃぶつ)に血が混ざっているときは、消化器からの出血、肺などの呼吸器疾患を疑います。

ピンク色のものを吐いた場合は、口の中や食道、胃などの消化器からの出血の可能性があり、胃炎や膵炎、十二指腸炎などが考えられます。茶色の血が混じっている場合は出血してから時間が経っていることが考えられるでしょう。

咳のような症状からピンクの液を吐き戻す場合は、肺などの呼吸器疾患が疑われます。呼吸器疾患で血を吐く場合は緊急性が非常に高いです。

血が混ざっている場合で特に注意したいのは、赤黒い血を吐いたときです。消化管内の腫瘍の破裂や胃潰瘍などの重篤な病気が疑われます。吐いたものを持って早急に動物病院を受診しましょう。

3.異物を吐いた

吐いたものの中にプラスチック片や紐などの異物が混ざっているなら、誤飲が原因の嘔吐と考えて良いでしょう。

誤飲の場合は、飲み込んだものをすべて吐くまで何度も吐こうとします。すべて吐いてしまうと落ち着きますが、誤飲したものによっては食道や胃などの消化器官を傷つけている可能性があります。また、形状によっては飲み込めても吐き出せない場合があります。

誤食で怖いのは、異物がまだ体内に残っていて、腸に詰まってしまうこと(腸閉塞)です。この場合は吐物には異物が出て来ず、胃から食べ物が腸に流れづらいためにフードや胃液などを吐いてしまいます。

不安な場合は動物病院で検査してもらいましょう。

4.吐いたものに動くものが混ざっている

吐いたものの中に動くものがあったら寄生虫の可能性が高いでしょう。寄生虫感染の場合は、嘔吐のほかにも下痢や血便、食欲低下、体重減少などが見られる場合があります。

寄生虫を吐いた場合は、吐いたものを持ってすぐに動物病院を受診することをおすすめします。持っていくのが難しい場合は、吐いたものを撮影しておくと良いでしょう。

また寄生虫はうんちにも出ていることが考えられますので、可能ならばいっしょに持参し検査してもらうと安心です。

まとめ

猫は吐くのが普通だから、吐いても心配ないと思っている人も多いかもしれませんね。しかし今回紹介したように病気や誤飲などが原因の場合もありますので油断は禁物です。

愛猫が吐いたときは「いつものことだから」と軽く考えずに、かならず吐いたものを確認するようにしましょう。また吐く頻度や回数などを把握しておくと、異変にも気付きやすくなります。もし「いつもと違うな」と感じたら動物病院を受診することをおすすめします。

なお誤飲や中毒など緊急性のある嘔吐の場合は様子を見ずに早急に受診しましょう。

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