米、世銀の中国融資に「強く反対」 現時点で増資検討せず=財務長官

[ワシントン 6日 ロイター] - イエレン米財務長官は6日、バイデン政権は現時点で世界銀行の増資を検討していないと述べた。また、中国が世銀から融資を受け続けることに反対するとの立場を示した。

イエレン長官は下院金融サービス委員会の公聴会で、将来的な世銀の増資について、中国に対する融資打ち切りを条件にするかとの質問に対し、「われわれは世銀による中国への融資に強く反対している。世銀を含む国際開発金融機関(MDB)に対し、中国への融資を削減し、廃止するよう圧力をかけてきた」と述べた。

イエレン長官はこのほか、米国の商業用不動産から銀行や不動産所有者が受けているストレスを懸念しているとしながらも、銀行規制当局の支援により状況は管理可能との考えを示した。

高金利環境の中で商業用不動産ローンの借り換えの期限が迫っていることのほか、労働者の勤務形態の変化による空室率が上昇していることに触れ、「商業用不動産の所有者に大きなストレスがかかる」と述べた。

法定通貨などと値動きが連動するように設計された暗号資産(仮想通貨)の一種、ステーブルコインについては、消費者保護と金融安定性保護の乖離を埋めるため、議会はステーブルコイン発行者などを規制する権限を提供する必要があるとの考えを示した。

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