「過度に“性的な目”で見られた」元世界女王メドベージェワが現役時代の『セクハラ』を露メディアに暴露! 男性コーチから無神経な指摘も…

かつての五輪メダリストが現役時代に受けたセクハラの一部を暴露し、大きな反響を呼んでいる。

2018年の平昌五輪銀メダリストであり、世界選手権でも2度の戴冠に輝いたエフゲニア・メドベージェワが地元ロシアのYouTube番組『No Comments』に出演。番組の一部発言が波紋を広げている。

番組内でメドベージェワは、フィギュアスケートにおける女性スケーターのセクシャルハラスメント(性的差別)について話題を振られると、自身の現役時代に受けた体験談を交えながら持論を展開した。

元世界女王は「私はずっと、過度に性的な視線で見られる世界で生きてきたわ」と答え、「フィギュアスケートの選手として、私は人生を費やしてきました。(衣装には)透け透けのスカートもあるし、下着姿のようなものもある。お尻をつき出す演技だってあったわ」と語る。

「男性コーチには、『おい、痩せたか? 胸が小さく見えるぞ』って…。私たちの世界では、フィギュアスケーターであることイコール美であり、女性の美しさを評価することであり、我慢しなければならない世界なんだと思ったわ」
メドベージェワはジュニア時代から頭角を現わし、”天才少女”と呼ばれた。敏腕指導者のエテリ・トゥトベリーベ氏の寵愛を受けた彼女は2013年に福岡で開催されたジュニアグランプリファイナルで銅メダルを獲得すると、翌年の同大会(スペイン・バルセロナ)で金メダルを獲得。15年の世界ジュニア選手権でも優勝を飾り、このシーズンは出場したジュニアの試合で全てトップに立つほど、飛ぶ鳥を落とす勢いでタイトルを独占。シニア転向後も勢いは止まらず、世界選手権2連覇を果たすなど「無敗の絶対女王」として女子フィギュア界に君臨した。

現役時代に受けたコーチの言葉の真意は分からないが、彼女にとって大きなショックだったことは想像に難くない。他にも、指導を受けている時に「どうしてそんなに、胸が小さいの? と言われたことがある」と衝撃の内容を暴露。「ある意味、普通のこととして過ごしてきたわ」と日常的なセクハラ発言が、繰り返し横行していたことを窺わせた。

具体的な時期と、セクハラ発言をした男性コーチの名前は伏せたが、ロシア国内ではメドベージェワの発言が小さくない話題となっている。同番組のコメント欄には、「ジェーニャ(メドベージェワの愛称)の発言は、あまりにも幼稚すぎる」「難しいトピックに鋭い答えを投げかけている。よくやった!」「彼女の考えを真摯に受け止めなければ」など、賛否両論が起きている。

頂点を極めたメドベージェワだったが、同門であるアリーナ・ザギトワ(ロシア)の台頭後は、成績が下降。初めて出場したオリンピックはザギトワの後塵を拝し、銀メダルに終わった。

その後は背中の慢性的な痛みに悩まされ、20年以降は大会に出場せず。去年4月に地元メディア『Hello!Russia』のインタビューで「プロスポーツのキャリアを完結した」と語り、競技からの引退を正式に表明している。

構成●THE DIGEST編集部

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