一問一答 宮崎トヨタ副社長  好決算にも「見つめ直す時間必要」 EV販売目標に「影響なし」

宮崎洋一副社長

 トヨタ自動車は6日、2023年4~12月期連結決算を発表し、宮崎洋一副社長がオンラインで報道陣の質問に応えた。主なやり取りは次の通り。

 ―決算の振り返りから。

 「持続的成長ができているのは、2009年の赤字転落以降、築き直してきた事業基盤と仕入れ先、販売店を含む、サプライチェーンの支援と協力のおかげ。良い決算である今だからこそ、改めて足場をしっかりと固め、将来の種まきや挑戦のための余力をつくる」

 ―足場を固める必要性や、26年電気自動車(EV)販売150万台などの目標に影響は。

 「23年4月以降、仕入れ先も含め、水準の高い生産をしてきた。人手不足の中、無理がでてきている。正しい仕事ができているか、今のやり方が目的に向けた一番の近道なのか、見つめ直す時間が必要だと考えている。また、足場固めの取り組みによる、EV目標への影響はない」

 ―今期、ハイブリッド車(HV)の販売が好調だ。

 「前期に3割弱だった電動車比率は、3割を超えている。けん引しているのが、HVだ。北米、欧州、中国など全ての地域でHVの構成比が高まっている。カーボンニュートラルに対しての現実的な解答として、需要が高まっている。また、商品力も想定を上回る評価をしてもらっている」

 ―中国市場の状況は。

 「HVは中国でも伸びている一方、EVの構成比は、想定を下回っている。〝乗り心地〟よりも〝居心地〟を重要視する中国顧客の要望に寄り添えていなかった。現地メーカーの伸びも著しく、値引き競争が激しい。巻き込まれずに、どうビジネスを続けていくかも考えなければいけない」

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