降雪から一夜明け群馬県内 スリップ事故で32人負傷 倒木・ハウス倒壊相次ぐ

JR前橋駅前で雪かきする前橋市職員=6日午前7時45分ごろ

 前橋で11センチの積雪を観測するなど、広い範囲での降雪から一夜明けた6日、群馬県内の道路には雪が残り、鉄道の運行が遅れるなど交通が乱れた。車のスリップ事故で32人がけがを負い、転倒などで男女14人が搬送されたことが判明。各地で倒木やビニールハウスの倒壊も確認された。

 県警交通企画課によると、5日正午~6日午前8時に車のスリップ事故が23件あった。人身事故全体の72%を占め、32人が軽いけがを負った。23件のうち、冬用タイヤなどを付けていなかったのは14件(61%)だった。同課は引き続き、雪道や凍結した道路への備えと安全運転を呼びかけている。

 各消防によると、6日午後4時までに歩行中の転倒などで14人が搬送された。同日午前6時ごろ、藤岡市内の工場敷地内を歩いていた男性従業員(54)が滑って転び、右足首を骨折した。伊勢崎市でも男女5人が負傷したほか、みなかみ町の男性(37)が除雪機で作業中、指にけがをした。

 鉄道も混乱した。JR上越線は渋川―水上間の上下線で6日始発から午後0時53分まで運転を見合わせ、上下16本が区間運休した。JR東日本高崎支社によると、5日午後9時半ごろ、敷島―津久田間で雪の重みにより枝が架線にかかっているのを運転士が発見。夜通しで伐採したが、複数箇所での倒木や列車の不具合も重なり、復旧に時間がかかったという。

 JR渋川駅の待合室は6日、朝から混み合った。男子高校生(18)=渋川市=は「授業開始には間に合いそうだが、車内が混みそう」と表情を曇らせた。JR水上駅では、男子高校生(17)=みなかみ町=が「沼田駅へ行きたいが、午後1時に出発して学校に着いてもほぼ授業に参加できない。家族に連絡を取っている」と話した。

 わたらせ渓谷鉄道は同日、始発から午後4時過ぎまで大間々―間藤間で運転を見合わせた。

 自治体やJAによると、道路や公共施設での倒木も相次いだ。前橋市荒子町では、倒木により公園内の電灯も倒れた。中之条町では栽培に利用していないビニールハウス4棟が雪の重みでつぶれたという。

 県教委によると6日、27市町村382校の公立小中学校が登校時刻を遅らせるなどの対応を取った。このうち12校を休校とした。公立高校などは計50校が登校時刻を調整したり、休校したりした。

雪による遅延や運転見合わせの影響で混み合うJR渋川駅の待合室=6日午前7時20分ごろ

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