関東都県の大雪/整備局「前例のない予防的通行止め」、道路管理者や建設会社が奔走

前線を伴う低気圧が本州南岸付近を東に進んだことで、関東各都県は5日夜から山沿いや山地が大雪になり、東京23区を含む平地でも雪が積もった。関東地方整備局は車両の立ち往生や事故を未然に防止するため、山間部を中心に直轄国道で通行止めを実施。直轄区間の通行止めは5日午後4時で約490キロに達し、それ以降を含め「前例のない最大規模の予防的通行止め」に踏み切った。
各都県の建設業協会には、5日午後の早い段階で道路管理者から連絡が入り、地域の支部長などが会員会社に注意喚起を出した協会がある。凍結防止剤の散布をはじめ多くの建設会社が地域の交通の安全を守る作業を行った。直轄の通行止め区間は、道路の維持工事を担う地元建設会社が徹夜で除雪に従事。6日未明から順次、通行再開にこぎ着けた。
直轄国道の通行止めは東京、神奈川、埼玉、山梨、長野、栃木の1都5県に及び、県境を越える峠付近の通行止めが多かった。長野県生坂村の国道19号では大型トラックの立ち往生が発生。維持工事を担当する小池組が除雪車両を使って救出した。関東整備局と各出先国道事務所、維持業務・工事を担う企業の除雪作業の結果、6日未明から順次、通行が再開されつつある。6日午前9時時点で通行止めが残ったのは国道139号鳴沢地区など一部となった。
東京近郊は6日午前に東日本、中日本の高速道路会社が第三京浜道路や中央自動車道などの除雪作業を実施した。首都高速道路会社は、同日午前5時半時点で首都高速の7割に相当する127カ所の入り口を閉鎖していた。閉鎖・通行止めの早期解除に向け、ホイールローダーなどの重機も使った除雪作業を進めるとともに、空荷の工事用車両を走行させ、路面の雪解けを早める措置などを講じた。

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