【ガーデニング】春の訪れを告げる早春の花木12選。鉢植えでも楽しめる

まだ寒さの残る時期、一足先に春の訪れを告げてくれる花木があります。鉢植えでも毎年必ず咲いてくれる木の花は、季節感満点! 草花に比べて丈夫で育てやすいものです。日ごとに暖かくなる日差しを集めるように咲くかわいらしい花木をご紹介します。

★冬に行う剪定★

マチュア世代に響く! 早春の花木の味わい

久しぶりに公園まで散歩しましたら、もう紅白のウメが咲いていました。今年はやはり開花が早いですね。白梅と紅梅は正確には花色ではなく、幹の断面の色で見分けるのだと、つい最近知り、花木の世界は深いな~と思ったものです。

子どものころはウメよりサクラがきれいと思っていましたが、最近やっとほのかに香るウメの魅力がわかるようになりました。イワシの味がわかるようになったのと同じで、年を重ねる良さを勝手に感じております。

ウメが気になりだしたら、早春に咲く魅力的な花木がほかにもいろいろあるのを知りました。多くは小さな花ですが、葉より先に花が出て「春が来るよ~」と知らせます。鉢植えでも春の訪れをしみじみ感じさせてくれる、マチュア世代に嬉しい植物ではないでしょうか。

春の訪れを告げる早春の花木12選

万葉の時代から愛された花と実【ウメ】

開花期:1~3月
樹高:5~10m

中国原産で古くから親しまれてきました。ほのかな香りで春の訪れを告げ、果実もさまざまに利用されます。本来は高木ですが、強く剪定できるので盆栽でも人気。徒長した枝に翌年花は咲かないので、花芽ができる夏前に開花した枝のつけ根から2~3芽で切り戻します。

春一番に咲き出す「雪中の四花」【ロウバイ】

開花期:12~2月
樹高:2~4m

原産地の中国ではウメ、ツバキ、スイセンとあわせて「雪中の四花」と呼び、寒さのなかで咲き出すさまが愛されます。ろう細工のような花は小さくても、香りのよさで存在を主張。樹形は自然に整うため、葉が出てくる3月の前に枯れ枝くらいをすかし剪定します。

生垣から茶花まで幅広く愛される【ボケ】

開花期:3~5月
樹高:2~3m

バラ科のボケの花は小さいながら艶やかな趣があります。花色も赤やピンク、白やオレンジ色と多彩です。管理しやすい低木ですが、枝にあるトゲを生かして生垣にも利用されます。鉢植えは真夏だけ西日を避け、水切れさせないように注意。剪定は花後または12月に。

枝垂れる枝に輝く黄色の花【オウバイ】

開花期:2~4月
樹高:2~3m

ハゴロモジャスミンやソケイなど、香りのよい花木の仲間ですが、残念ながら香りはほとんどありません。ただ、明るく鮮やかな黄色の花はよく目立ちます。剪定以外は手間のかからない丈夫な中国原産の花木です。剪定は花後に、好みの株姿に自在にできます。

枝を下垂させた仕立て

日本を代表する花木のひとつ【ツバキ】

開花期:11~4月
樹高:5~10m

春の花木は中国原産が多いなかで、海外でも人気の日本原産種。11月から咲く寒椿と3月から咲く品種があり、多彩な園芸品種があります。艶のある常緑の葉も美しいものの、チャドクガやカイガラムシが発生しやすいので注意。花後すぐでも花芽を落としやすいので強剪定は、数年ごとに。

暖地の野山で春を告げる花木【マンサク】

開花期:2~3月
樹高:2~3m

奇妙な細長いひも状の花ですが、鮮やかな花色は春の光を集めるように遠くからでも目立ちます。九州や四国、本州の太平洋側の野山に自生。成長がゆっくりなので、狭い場所や鉢植えに適します。剪定は花後に新葉が出る前、枯れ枝を切るくらいで大丈夫です。

華やかなオージープランツ【ギョリュウバイ(レプトスペルマム)】

開花期:11~5月
樹高:30~400㎝

オーストラリア原産のレプトスペルマムは、白花の原種がマヌカハニーの蜜源として知られます。日本ではピンクの園芸品種がギョリュウバイの名前で流通。晩秋から初夏まで長く花が楽しめます。日が当たりやや乾燥した環境を好み、-5℃くらいなら戸外で越冬。

「希望」という花言葉を掲げる【レンギョウ】

開花期:3~4月
樹高:2~3m

中国や日本に自生して、英国のプラントハンターが欧州に広めました。四方に伸び出る枝に黄金色の花が密につく姿は光の噴水みたいで、見る人の心を弾ませます。6月に花芽ができる前に強く切り詰めるとコンパクトな樹形が保て、晩秋から冬は徒長枝などを剪定。

甘い香りを漂わせる壺形の花【アセビ】

開花期:2~4月
樹高:1.5~3m

日本や中国に自生する常緑の低木です。壺形の小花を穂状に咲かせて甘い香りを放ちます。枝葉に有毒成分があり、馬が食べるとふらふらになるので、馬酔木といいます。日陰気味の場所では花数が減りますが、よく成長。花後はすぐに軽く刈り込んで、樹形を整えます。

春は黄金花、秋は赤い実が楽しめる【サンシュユ】

開花期:3~4月
樹高:6~8m

黄色い小花がドーム状に咲く姿から春黄金(はるこがね)花とも呼ばれ、秋には紅葉と真っ赤な実が目を引いて秋珊瑚(あきさんご)と呼ばれる、楽しみの多い木です。高木なので、開花期をのぞいて随時混み合った枝をすかし剪定して、コンパクトな樹形を保ちます。

白く煙るような小花のシャワー【ユキヤナギ】

開花期:2~4月
樹高:1~2m

しなやかな枝に白い小花がびっしりと咲き、ボリューム感と動きがあります。切り枝にしても長く楽しめて人気です。ピンクの'フジノピンク(フジノピンキー)’という品種もあります。株姿は乱れにくいものの成長が早いので、開花後すぐに株の半分ほどに切り詰め。

クリーム色の小花を重ねて吊り下げる【トサミズキ】

開花期:3~4月
樹高:2~4m

名前どおり高知県原産の落葉低木で、宮崎県原産のヒュウガミズキもあります。香りのよい小花を重ねて吊り下げる姿が独特。分枝はまばらでワイルドな雰囲気のある灌木で、株元からひこばえがよく出て株立ちに。剪定の必要はほとんどなく、盆栽にも利用されます。

トサミズキ
ヒュウガミズキ

落葉樹の植えつけは今が適期

落葉性の花木は、落葉して休眠している時が植えつけ適期です。園芸店には晩秋から開花期前後に苗木が多く出回ります。ポットで販売されている苗木を、8~9号(直径24~27㎝)の鉢に植えましょう。

少し重さのある樹木用の培養土に、緩効性の化成肥料を元肥として混ぜます。用土をつついて詰めながら、鉢縁から2~3㎝ほど下まで入れて植えると、水やりしても水がこぼれません。植えつけ後は鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりします。

開花まで日によく当たり、できれば北風が強く当たらない場所で育てましょう。日差しのなかで蕾が膨らみ始めると、ワクワク感が高まります。今年の春は木の花で始めましょう!


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