今期2度目も「すし」「ラーメン」「牛丼」で相次ぐ業績の上方修正 

神戸近郊の店舗

コロナ禍の影響が薄らぐにつれて「すし」「ラーメン」「牛丼」をチェーン展開する企業が相次いで業績予想を上方修正している。

牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズホールディングス<9887>は2024年2月5日に、2024年3月期の業績予想を上方修正した。2023年11月に次ぐもので、今期2度目となる。

回転ずしチェーン「魚べい」などを展開する元気寿司<9828>は2024年1月30日に、2024年3月期の業績予想を上方修正した。こちらも2023年10月に次ぐ、今期2度目の修正となる。

このほか「ラーメン山岡家」をチェーン展開する丸千代山岡家<3399>は2023年12月に、牛丼チェーン「すき家」や回転ずしチェーン「はま寿司」などを展開するゼンショーホールディングス<7550>は2023年11月にそれぞれ業績予想を引き上げた。

国民食ともいわれる「すし」「ラーメン」「牛丼」の分野では、もはやコロナ禍は過去の出来事になりつつあるようだ。

人流の回復で売り上げが増加

松屋は2024年3月期の売上高を23億円多い1257億円(前年度比17.9%増)に、営業利益を10億円多い45億円(同3.06倍)に引き上げた。

既存店の売上高が伸びた結果、2ケタの増収となるとともに固定費の売上高に占める割合が低下し営業利益のほか、経常利益(同27.7%増)や当期利益(同2.39倍)も大幅な増加見通しとなった。

一方、元気寿司は2024年3月期の売上高を3億3200万円多い607億7000万円(同11.3%増)に、営業利益を8億3600万円多い40億円(2.30倍)に引き上げた。

店舗やブランドの認知度向上や販売促進に取り組んだほか、店舗運営の合理化などによるコスト削減が進み、営業利益のほか経常利益(同2.34倍)、当期利益(同2.42倍)も大幅に増加する。

営業利益がコロナ禍前の4.4倍に

すでに丸千代山岡家は2024年1月期の売上高を255億円(同36.5%増)、営業利益を18億円(同3.50倍)に引き上げているほか、ゼンショーホールディングスも2024年3月期の売上高を9600億円(同23.1%増)、営業利益を510億円(同2.34倍)に修正している。

いずれも行動制限の撤廃に伴う人流の回復で、売上高が伸びているのに加え、値上げやコスト削減などの対策を講じたことが要因だ。

この業績予想の売上高と営業利益をコロナ禍前の2019年と比較すると、4社ともに実績を上回っていることが分かる。売上高は最も伸び率の低い松屋が28.0%増で、最も高い丸千代山岡家はほぼ2倍に増加する。

松屋フーズホールディングス、元気寿司、ゼンショーホールディングスは3月期、丸千代山岡家は1月期

営業利益はさらに伸び率が大きく、最も伸び率の高い丸千代山岡家は4.43倍に、ゼンショーは2.70倍に達する。

コロナ後の成長はどのような軌道を描くのだろうか。

松屋フーズホールディングス、元気寿司、ゼンショーホールディングスは3月期、丸千代山岡家は1月期

文:M&A Online

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