オリジナルクッキーで北陸の地震被災地支援 震災で福島から福井に避難の柑本さん

「クッキーで多くの人に笑顔と希望を届けたい」と願う柑本さん=6日・福島市

 福島県二本松市出身で福井県鯖江市に住む柑本(こうじもと)明里さん(21)=東京通信大2年=は福島市のNPO法人チームふくしまと協力し、能登半島地震の被災地支援のためオリジナルクッキーを販売する。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で避難した際、温かく受け入れてもらった。「恩返しに」と、収益金を北陸地方に贈る。

 クッキーは米粉を原料に、ヒマワリの種を加える。香ばしく、食べた人が自然と笑顔になる優しい味わいの仕上がりを目指す。趣味にする菓子作りの技を存分に生かす。商品名は「ひまわり能登応援クッキー」に決まった。県内の福祉事業所に製造を依頼し、チームふくしまの公式ホームページなどで3月以降に販売する予定。

 柑本さんは、ヒマワリを通した本県の復興活動を通じ、チームふくしまと縁づいた。6日、プロジェクト会議に出席するため帰郷し、「希望を北陸に届けたい」と思いを語った。

 震災に遭ったのは小学2年生の3月。福井県に移住し、4月から鯖江市の立待小に通った。級友たちは笑顔で迎えてくれた。福島復興を願い学年のみんなで作った歌が、今でも忘れられない。♪少しでもだれかの力になりたい ひまわりの花を咲かせたい―。その名は「ひまわり」。心の支えになっている。今度は、その花の名を冠したクッキーで、自分が被災地を励ます番だ。「音楽で元気を与えてもらった。恩に報いたい」。

 地震発生から1カ月余が過ぎた。日常が戻る先行きは見通せないが、継続的なサポートを目指す。「クッキーで多くの人の笑顔にし、復興への思いをつなぎたい」と言葉に力を込めた。

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