中国半導体SMIC、需要回復に慎重な見方 55%減益

[北京/上海 7日 ロイター] - 中国最大の半導体メーカー、中芯国際集成電路製造(SMIC)は、世界の半導体産業は1年にわたった低迷の末に一部で明るさが見られると指摘する一方、需要回復は「力強く包括的な」持ち直しを支えるには不十分であり、成長は緩やかなものにとどまるとした。

趙海軍・共同最高経営責任者(CEO)は7日、アナリストとの電話会議で、昨年末からスマートフォンやパソコンメーカーからの受注が急増したが、これが持続的なものなのかどうか慎重に見ていると述べた。

「今年下半期の受注分が上半期に前倒しになっていることから、受注が下期に減少するのではないかと心配している」ともコメントした。

こうした慎重な見通しや、前日発表した2023年第4・四半期決算で純利益が前年同期比55%減少してアナリスト予想に届かなかったことを受けて、7日の香港株式市場でSMICは8%超下落している。

純利益は1億7468万ドル。予想は2億7700万ドルだった。世界的な需要の弱さや業界内の激しい競争環境を減益の理由に挙げた。

売上高は3.5%増の16億8000万ドルで、予想の16億6000万ドルを上回った。81%近くが中国市場からの売り上げだった。

23年通期では売上高は前年の72億7000万ドルから63億2000万ドルに、純利益は18億2000万ドルから9億0250万ドルにそれぞれ減少した。

通期の設備投資額は74億7000万ドルと、前年比17.6%増加。今年は23年並みの投資額になると予想している。

今年第1・四半期の粗利益率は9─11%と、23年第4・四半期の16.4%を下回る見込み。

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