カナダ中銀、インフレ抑制はさらに時間を要する=総裁

Promit Mukherjee Steve Scherer

[オタワ 6日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は6日の講演で、インフレ圧力を抑制するにはさらに時間が必要だとした上で、最大の物価上昇要因である住居費の高騰は、金利の上げ下げによって抑えられるものではないと指摘した。

総裁は「金融政策はインフレ率の低下に作用している」としつつ、残存する物価圧力を緩和させるには、金融政策にもっと時間を与える必要がある」と述べた。

カナダ銀は過去4回の金融政策会合で、主要政策金利を22年ぶり高水準の5%に据え置いた。次の政策発表は3月になる。

インフレ率は2022年6月の8.1%をピークに、昨年12月には3.4%まで下がったが、物価目標の2%に向けた低下スピードは遅い。

カナダでは深刻な住宅不足により住宅の購入価格と家賃が上昇。総裁は、インフレ率が物価目標を超えている最大の要因が住居費だとした上で、「しかしこれは、金利を上げたり下げたりすることで是正できる問題ではない」と述べた。

金融市場は7月の利下げを完全に織り込んでいる。また、市場が織り込む4月の利下げ確率は43%程度で推移している。

総裁は、中銀は住居費を無視するわけにはいかず、目標は「トータルで見たCPI(消費者物価指数)を押し下げることだ」と発言。講演後、記者団に対し「インフレ率が下がれば2%目標達成の確信が強まるだろう。そうすれば利下げについて語れるようになる」と話した。

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