船が洋上昇圧ステーションに近づくのをサポートする呉鵬さん（左）。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
【新華社済南2月6日】中国山東半島周辺の黄海、渤海には無数の風力発電の風車が整然と並び、新エネルギー建設の新たな景観をつくり出している。山東半島は、中国が第14次5カ年規画（十四五、2021～25年）期間の重点的な建設対象と位置づける五大洋上風力発電基地の一つ。その運用を支えているのは、主に20代の若者たちだという。
中国の電力大手、国家電力投資集団（SPIC）傘下の山東海洋能源発展が運営する洋上風力発電所の陸上管理施設、乳山ステーションに勤務する吉林省長春市出身の呉鵬（ご・ほう）さんと山東省青島市出身の王川（おう・せん）さんもそれぞれ28歳。風が弱い時機を見計らって海に出て風車を巡回点検することは、2人にとってステーションの勤務以外で最も重要な任務となっている。
洋上昇圧ステーションで設備を検査する呉鵬さん（左）と王川さん。（1月25日撮影、乳山＝新華社記者/張鍾仁）
ステーションのある山東省乳山市を出発し、船で2時間以上かけ、岸から20キロ余り離れた山東半島「南U1」洋上風力発電プロジェクトのエリアに入る。船は洋上昇圧ステーションに係留する。洋上昇圧ステーションは鋼鉄製の建物で、1期プロジェクトの風力発電機53基で発電された電力を集約、昇圧し、地下ケーブルを通じて陸上の家庭に送電する。
洋上昇圧ステーションに移り、点検が始まる。「冬は海風が強く、風が弱い日があまりないので、今回が春節（旧正月）前最後の巡回点検になる」と呉さん。技術の進歩に伴い、洋上風力発電所はすべて「無人監視」を実現しており、リモートコントロールや設備のモニタリングで陸上のステーションでも運転状況をリアルタイムに管理できる。それでも人による巡回点検はさらなる安全性を確保する保険となる。洋上昇圧ステーションでは宿泊もでき、休憩室の設備も整っている。
洋上昇圧ステーション。（1月27日、小型無人機から、乳山＝新華社記者/張鍾仁）
ここ数年、中国の洋上風力発電は急速に発展し、洋上風力発電の累計設備容量が世界最大の国となった。今回の巡回点検の同行者、プロジェクト監理の孟奥傑（もう・おくけつ）さんも呉さん、王さんと同じ28歳。河南省出身で、これまで6カ所の沿岸都市で洋上風力発電プロジェクトの管理を担ってきた。従来型エネルギー産業と比べると洋上風力発電業界は技術の進歩が速く、新規プロジェクトが次々と立ち上がっており、全国各地から若者が集まっていると話す。
巡回点検に同行したプロジェクト元請け企業の従業員、薛竜（せつ・りゅう）氏は1985年生まれ。火力発電業界で働いていたが、新エネルギー産業の将来性に期待し、2022年、陸から海に鞍替えし、人生の新たな旅を始めることにした。
洋上昇圧ステーションで設備を検査する呉鵬さん（左）と王川さん。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
大きく発展する新エネルギー産業は、若者に多くの雇用を創出するだけでなく、鍛えられながら成長する機会も提供している。
海上での巡回点検中には、いくつもの大型船舶がそれぞれ別の風車のそばに停泊していた。呉さんによると、国内の複数の風力発電機メーカーが派遣した専門のメンテナンスチームで、現在、作業員100人近くが修理、保守に当たっており、みな20代前半の若者だという。（記者/李志浩、張鍾仁）
洋上風力発電ユニットの内部に入るためユニットの壁を登る呉鵬さん。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上昇圧ステーションで設備の運転データを検査する呉鵬さん（左）と王川さん。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上風力発電ユニット内部で、スマホのモニタリングシステムを通じて故障箇所を確認する作業員。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上昇圧ステーションで設備を検査する呉鵬さん（右）と王川さん。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上昇圧ステーションで設備の運転状況をモニタリングする呉鵬さん。（1月24日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上風力発電ユニット内部で、スマホのモニタリングシステムを通じて故障箇所を確認する作業員。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上昇圧ステーションで設備を検査する呉鵬さん（右）と王川さん。（1月25日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
洋上昇圧ステーション。（1月27日、小型無人機から、乳山＝新華社記者/張鍾仁）
洋上昇圧ステーションで設備を検査する呉鵬さん（左）と同僚。（1月24日撮影、乳山＝新華社配信/湯博文）
