なぜ保険は見直した方がいい? 最適な見直しタイミングと逆に損をするケースを解説

「保険に入るときに納得して入ったのだから、見直す必要はないのでは?」「面倒だし、ずっとそのままの保険ではダメなの?」「見直すと損をするのでは?」

保険の見直しについて、こんなイメージを持っている人は少なくはありません。たしかに「保険の見直し」はちょっと面倒です。そして年齢とともに保険料は上がります。しかし、見直すことで必要のない保障を止めることができ、保険料が下がることもあります。

今回は、保険の見直しが本当に必要なのか?とその理由を解説します。


ライフステージが変化すると必要保障額も変わる

結論からいうと、定期的に保険を見直した方が得になることが多いのです。それには、いくつかの理由があります。

見直しが必要な大きな理由として、ライフステージによって必要な保障が変わってくるからです。たとえば、20代などの独身時代は、あまり大きな保障は必要ありません。もし万が一、自分が死亡しても扶養家族がなく、経済的に困る人がいなければ死亡保険は必要ないからです。

しかし、結婚して子どもがいれば、万が一死亡した場合、残された家族は経済的に困ります。子ども1人あたりの教育費だけでも1000万円近く、生活費も考えると2000万円ぐらいは足りなくなります。ですから死亡保険金として、子ども1人あたり2000万円ぐらいは用意しておいた方がいいでしょう。逆に、子どもが独立すれば、大きな保障は必要なくなります。そうなると必要保障額は少なくていいでしょう。

また、住宅を購入するとき、住宅ローンを組む場合は団体信用生命保険に加入する必要があります。これは生命保険のひとつです。死亡保険がダブルになるので、その分必要保障額を減らすことができます。

年金暮らしになると、自分の葬式費用ぐらいになり、高額な保障も必要なくなります。ただし、相続税対策が必要な方は、それなりの金額を終身保険で備えておく必要があります。

このように、ライフステージによって必要保障額が変わっていきます。

保険の見直しをしないでずっと同じ保険だと、ある時期には、必要保障額が足りない状態が続き、ある時期では、ムダな保障になっている可能性があります。もし、必要保障額が足りない状態ならば、なにかあれば取り返しがつきません。

保険で対応できるものは決まっている

保険はなんでも保障してくれるわけではありません。医療保険ならば、入院・手術をしないと保険金は出ません。がん保険に対応しているのは「がん」だけです。死亡保険は死んだとき、介護保険は、要介護状態になったときだけ保障されます。このように決まった状態になったとき、はじめて保障されるのが保険です。

医療保険は、健康保険があるので必要性の低い保険です。介護保険は、あまり若いときから入っても意味がありません。就業不能保険は、会社員などには傷病手当金があるので必要度は低いですが、フリーランスには必須な保険でもあります。がん保険は、手術や抗がん剤治療が難しい超高齢者には、あまり必要な保険ではないかも知れません。

このように、年齢や状況によって必要な保険は変わってきます。

がん保険・医療保険は、医療技術の進歩に合わせて変化している

保険商品はどんどん進化しています。がん保険や医療保険の場合は、昔入った保険では、保障内容が古いことがあります。

たとえば、入院が短期化しているので、入院保障だけでは意味がなくなってきました。特にがん治療は、入院・手術が中心でしたが、抗がん剤治療、放射線治療などの長期の通院治療に変わってきました。さらに自由診療の保障も重要になってきました。そのため古いがん保険では十分な対応ができない場合があります。これも、ある程度の期間での見直しが必要になります。

保険の見直しで損をしないためには

見直しのタイミングは、先に述べたように、ライフステージが大きく変わったときです。また、10年ごとなど定期的に見直しの検討をするのもいいでしょう。保険は長期の契約になるので、あまり頻繁に見直す必要はありません。

さて、見直すことで得になるという話をしましたが、見直したことで損することがあるのも事実です。それは、見直しの際、保険営業員や無料相談で勧められた通りに契約をしてしまうケースです。必要のない保障を追加してしまったり、見直すことで予定利率が下がってしまったりすることで、結果的に損になることがあります。

保険を見直すときは、まず自分に必要な保障、家族に必要な保障はなにかをしっかり把握することから始めましょう。そして、必ずいくつかの保険商品を比較することが大切です。

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