ベンチから白星を見届けたトンプソン…悔しさにじませるも若手の成長に「喜ばしいことだ」

2月6日(現地時間5日)に開催されたゴールデンステイト・ウォリアーズとブルックリン・ネッツの一戦。29分48秒のプレータイムで8得点6リバウンド3アシスト2スティールを記録した先発のクレイ・トンプソンは、チームの勝利をベンチから見守ることとなった。

直近の3試合で2勝を収めているウォリアーズだが、長年チームをけん引してきたトンプソンは両方の白星でクロージングラインナップに入ることができず。試合を最後を任される重要な役割だけに、現地メディア『ESPN』の取材に対し「僕はベストプレーヤーの一人だと思っているし、誰にだって難しいことだろう。正直、とても辛いね」と、トンプソンは悔しさをにじませた。

ネッツ戦では得意の3ポイントシュートに嫌われ、3本すべてをミスする結果となったトンプソン。第4クォーターの残り7分19秒で若手のモーゼス・ムーディーと交代でベンチへ戻り、その後はサイドラインから戦況を見つめた。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はこの選手起用について、「競争心があり、勢いがあったから」と理由を語った。

「彼(トンプソン)は大丈夫だ。ここ最近は浮き沈みの激しいシーズンを送っているし、殿堂入りも確実な選手がケガと向き合うのは簡単なことじゃない。それに年齢を重ねることだって頭を悩ませる。けれども、彼はタフな精神を持っている」(カーHC)

2019年の左ヒザ前十字靭帯断裂、続けて見舞われたアキレス腱断裂と、2度の大ケガから復活を遂げたトンプソン。それでも過酷なリハビリを乗り越え、「肉体的には最高の気分だよ。精神的にはちょっと違うかもしれないけど、人生はそういうものだろう」と、辛い状況でも前を向いている。

トンプソンは自身に代わって出場機会をつかんでいる新人のギー・サントスにも「一生懸命プレーするやつだ」と反応。自らがプレーする時間が短くなることも「受け入れてるよ」とコメントし、若手の成長に笑みを見せた。

ブランディン・ポジェムスキー(左)、ジョナサン・クミンガ(中央)ら若手が成長を見せるウォリアーズ[写真]=Getty Images

「不機嫌になることだってできるけど、それよりも若い選手たちが活躍していることがうれしいんだ。このリーグで勝つのは難しい。ギーは普段Gリーグにいるけど、ここにきてあれだけの影響を与えられるんだ。素晴らしいことだと思う」

現時点で22勝25敗を記録し、ウェスタン・カンファレンス下位に沈んでいるウォリアーズにとって、トンプソンがパフォーマンスを維持できるかは今後の成績を左右する要素の一つ。相棒のステフィン・カリーは「彼がもっとシュートを打ちたいのは分かってる」と、盟友の葛藤に理解を示す。

「ゲームには波があるし、シーズン中に調子が落ちることもあれば輝くときだってある。常に集中して準備を怠らないことだ。彼は僕たちのためにタイムリーなプレーをたくさん見せてきてくれた。だから、そのままでいること。すべては巡り巡ってくるのだから」(カリー)

望むような状況ではないものの、バスケットボールに向き合い続けるトンプソン。チームを支えてきた不動のエースガードは、理想の姿を取り戻すことができるだろうか。

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