匠の技と耐震工法を融合 真岡市が17日、高田山専修寺で再建工事説明会 今しか見られない工事の裏側も

耐震補強が進められている専修寺の楼門の工事現場

 【真岡】市は17日、耐震化が進められている高田の高田山専修寺(たかださんせんじゅじ)にある国重要文化財「楼門(ろうもん)」の再建工事説明会を開く。江戸時代の匠(たくみ)の建築技術を生かしながら、文化財を長く守っていくための耐震工事について、専門家が技術的なポイントを解説する。

 楼門の保存修理、耐震補強工事は、国、県、市、寺が費用を出し、総事業費2億5千万円をかけて進められている。市内の文化財としては久々の大型事業。市文化課によると、見た目が大きく変わることなく、史跡への影響が最も少ないとして、もともとの建物の柱の内側に4本の鉄骨を立てて2階の床下とつなぐ工法が採用された。

 現在、解体が終わり、1階部分の柱と補強用の鉄骨が立てられた。13日から2階部分の部材の組み立てが始まり、12月に全ての工事が終わる。これまでの解体工事で、楼門の正確な建立年や過去の修理回数が分かったほか、基礎部分を掘って調べたところ、もともとさらに古い建物があった可能性など、新たな知見も得られている。

 説明会では参加者が工事用の足場に上り、木材の組み方など今しか見られない工事の裏側や、専門的な技術を間近で学ぶことができる。午前10時、11時、午後1時、2時からの計4回。各回15人ほどを受け付ける。文化財建造物保存技術協会の古建築の専門家らが解説する。

 (問)市文化課0285.83.7735。

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