あこがれの「刑事」になりたい! 危険な仕事だし、給与は他の警官よりも高いのでしょうか?

「刑事」という階級はない?

警官には「階級制度」があります。ただし、「刑事」という階級はありません。地方公務員に属する警官の階級には、巡査(巡査長)、巡査部長、警部補、警部、警視があります。警視以上は国家公務員です。現場で捜査に当たる刑事の階級は、巡査(巡査長)か巡査部長です。警部補や警部になると、現場で動き回るのではなく、管理職として部下の指揮監督の役割を担います。なお、刑事になるためには、警察学校卒業後に一定期間交番勤務を経験して、適性を認められる必要があります。

刑事の仕事とは

刑事は、都道府県警察本部の「刑事部」や所轄警察署の「刑事課」に所属して、事件捜査に当たるのが主な仕事です。その仕事は多岐にわたっていて、ドラマや映画で描かれているのは、その一部に過ぎません。刑事の主な仕事には、機動捜査、強行犯捜査、知能犯捜査、盗犯捜査、鑑識、刑事総務などがあります。なお、どの捜査を担当するかは、本人の希望、勤務実績、適性などを考慮して決められます。

・機動捜査

機動捜査は、事件が発生した際に現場に急行して、初動捜査に当たるのが主な役割です。

・強行犯捜査

強行犯捜査では、殺人や強盗などの暴力的な事件の捜査に当たります。

・知能犯捜査

知能犯捜査は、詐欺、選挙違反、贈収賄、横領といった、知能的な犯罪の捜査を担当します。

・盗犯捜査

盗犯捜査の役割は、ひったくりやスリなどの窃盗犯の捜査です。

・鑑識

鑑識は、事件現場で指紋や血痕などの証拠を収集したうえで、その分析などを行います。

・刑事総務

刑事総務の主な役割は、「刑事課」の刑事のサポートです。事件に関する資料や機材などの保管といった仕事のほかに、防犯カメラの回収・解析のサポートといった役割も担います。

刑事の年収は他の警官よりも高い?

刑事の給与は階級によって決まります。階級が高くなればなるほど、給与の額も上がります。そのため、刑事だからといって、他の警官よりも年収が高いというわけではありません。また、刑事は地方公務員のため、給与の額は、都道府県、学歴(大卒・高卒)、年齢、勤続年数によって異なります。ちなみに、神奈川県ホームページによると、巡査の平均給料月額は21万9051円、巡査長は27万6922円、警部補は39万1750円でした。

刑事にあこがれているのなら、まずは「警察学校」を目指そう

刑事の仕事には、さまざまな役割があることが分かりました。事件が解決していくのは、それぞれの役割の中で、刑事たちが地道な捜査を行った結果です。そんな刑事の仕事の中でも、機動捜査や強行犯捜査は特に危険が伴います。とはいえ、こういった捜査に当たる刑事の年収が、特別高いわけではありません。刑事の給与は階級によって決まるため、危険な捜査に従事していても、基本的に他の警官と年収は同じです。ただし、刑事の仕事には、事件捜査という交番勤務とはまた違ったやりがいがあります。もし、刑事にあこがれているのなら、まずは警察学校を目指して「採用試験」を受けてみてはいかがでしょうか。

出典

[神奈川県ホームページ 公安職給料表(警察官に適用)
](https://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/732256.pdf)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

© 株式会社ブレイク・フィールド社