膠着状態が続く「リニア問題」の打開へ 国交省の鉄道局長が静岡県の川勝知事と面談【速報】

膠着状態が続く、リニア中央新幹線の静岡工区をめぐり、国土交通省の鉄道局長が2月7日、静岡県の知事と面会しました。国の有識者会議がまとめた工事に伴う南アルプスの環境保全の報告書について、説明しています。

【写真を見る】膠着状態が続く「リニア問題」の打開へ 国交省の鉄道局長が静岡県の川勝知事と面談【速報】

7日午後2時、静岡県庁を訪れたのは、国交省の村田茂樹鉄道局長です。

<川勝平太知事>
「どうぞ」

<国土交通省 村田茂樹鉄道局長>
「貴重な時間をありがとうございます」

<国土交通省 村田茂樹鉄道局長>
「冒頭、私のほうから、きょうお伺いした主旨をご説明させていただいてよろしいですか。カメラもおられますので」

面談は、冒頭のみの公開でしたが、村田局長は報道陣がいる前で訪問の主旨を説明しました。

<国土交通省 村田茂樹鉄道局長>
「きょう参りましたのはリニアの静岡工区の課題であります、南アルプスの環境保全問題、これに関しまして有識者会議を設けさせていただきまして、科学的、客観的な観点から活発な議論をしていただきました。昨年の12月に報告書がとりまとめられましたが、これを受けまして、国土交通大臣のほうからJR東海の丹羽社長にお越しいただいて3点お願いしております。1つ目が有識者会議の議論を通じて醸成された環境保全の意識をJR東海の社内で共有して、本報告書で整理された環境保全措置、あるいはモニタリング、こういった対策に全力で取り組んでください。2つ目が地域の関係者との双方向のコミュニケーションを十分に図ってください。3つ目が本プロジェクトに限らず、南アルプスの自然環境の持続可能な利活用に資する取り組み、こういう南アルプスの環境保全の様々な取り組みに積極的に貢献して、こういった取り組みを見える形で示してください。こういったところを求めています。私ども国土交通省としましては、報告書を踏まえた対策が着実に実行されていくことが大事であると考えています。これが進められていることについて、前の水資源の問題、それから環境保全の両分野について、総合的な視点で継続的に確認する新たな体制を準備しております」

<川勝平太知事>
「おー」

<国土交通省 村田茂樹鉄道局長>
「引き続き、国としてもリニアのプロジェクトに関与して参りたいと考えておりまして、本日、報告書の内容を知事にこういったお時間をいただきまして、ご説明させていただきたいと思っておりますけれど、県におかれましても、この報告書を踏まえて、JR東海との対話を進めていただきたいと思っておりまして、リニアプロジェクトの推進にご理解とご協力をお願いさせていただきたいと思って、参った次第であります」

<川勝平太知事>
「よく主旨は分かりまして一番最後に言われましたモニタリングの新しい体制を立ち上げると、大変興味深いお話でこのあたりを少し聞きたいと思います」

リニア中央新幹線の静岡工区をめぐっては、静岡県が着工を認めず、JR東海との対話は平行線をたどっています。県とJR東海の議論を前進させるために、国交省は有識者会議を設けて、2020年から水資源と環境保全について議論し、それぞれの報告書をまとめました。

川勝知事は、これまで報告書には「課題が残る」と指摘していました。

© 静岡放送株式会社