Bluesky、招待制を終了し誰でも登録可能に

Image:Bluesky

Twitter創業者のジャック・ドーシー氏らが設立した分散型SNS「Bluesky」が、長らく続いた招待制を終了することを明らかにした。これで、Blueskyへの登録を希望する人は誰でもアカウントを作れるようになった。

イーロン・マスク氏がTwitter(現X)を買収し、会社幹部をはじめ世界中の従業員を続々と解雇するなか、Twitterユーザーの一部はTwitterライクな他のSNSを探し求めるようになった。そして当時、新興SNSとして最も注目を集めたのが、Metaが用意した「Threads」と、旧Twitterとのつながりが深い「Bluesky」だった。

Threadsは、基本的にInstagramのコンパニオンアプリであり、登録するにはまずInstagramユーザーである必要があった。ただ、そもそもInstagramが世界的にはTwitterを大きくしのぐ規模のSNSであり、Threadsは公開からわずか24時間で3000万人を超えるユーザーを獲得する勢いを示した。

一方、Blueskyはマスク氏がTwitterを買収する少し前に、Twitterから1300万ドルの資金を得て活動の足固めをしたところであり、ようやくベータ版としてサービスが始まったばかりだった。

Blueskyは、Threadsを含む他のほとんどのSNSとは異なり、一般市民が利用できる公益法人として登録されている。ただし、まだ立ち上げたばかりのインフラを維持するためもあり、アカウントの開設は招待コード持つ者に制限するという、Threadsとは対照的な方法を採用した。

一時期は、この招待コードが高値で取り引きされるような状況が話題にもなったが、招待に関しては現在は落ち着いている。それでいて、ゆるやかながらも順調にユーザー数は増えており、2023年9月に100万人、11月には200万人、そして2024年早々には300万人に到達している。

BlueskyのCEOジェイ・グラバー氏はThe Vergeに、Blueskyの招待制解除にこれほど時間がかかった理由は、特定のモデレーション機能を完成させ、インフラを安定した状態にする必要があったからだと語った。

Blueskyのフルタイム従業員数は現在、40人弱と非常に小さな所帯となっている。しかもその約半数が、モデレーションとユーザー サポートに携わっているということから、分散型SNSでありながら、一定の秩序を保つためのモデレーション能力を備えることを重視していることがわかる。

また、ユーザーが自身のアカウントで表示するタイムラインは、2万5000以上あるカスタムフィードから選べるようになっている(自分で作ることもできる)ところもユニークと言えるかもしれない。

Blueskyは今月にも、自らが採用するATプロトコルを有効化することを計画している。これにより、理論上はサードパーティがATプロトコルを採用する独自のサーバーを設置し、独自のルールで運用することが可能になる。ATプロトコルを採用するサーバーは、フェデレーションと呼ばれる相互接続機能によりBlueskyを含む他のサーバーとも接続できるようになる。これはThreadsやMastodonが採用するActivityPubプロトコルと同様の機能だ。

ただ、グラバー氏は「われわれは一夜にしてネットワーク全体が変わってしまうことがないよう、レート制限など徐々に展開することから始めると思う」と述べ、実験的・段階的にATプロトコルの有効化を進めていくことになるだろうとした。

Blueskyはアクティブなユーザーベースがあり、すでにある程度のコミュニティもできあがって着実な人気を得ている。一般公開により、これからどのように成長していくのかが注目されるところだ。

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