EU、ESG格付け機関に初の規制適用 人権も盛り込む

Huw Jones

[ロンドン 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国と欧州議会はESG(環境・社会・企業統治)格付けを提供する機関に対する初の規制案について5日遅くに合意に達した。ESG格付けによる企業の持続可能性評価は世界で何十兆ドルにも上るESG投資に活用されている。

新規制の下、欧州証券市場監督機構(ESMA)が域内のESG格付け会社を認可、監督する。EU域外の格付け会社が提供する格付けも、域内の規制対象機関のお墨付きを得る必要が生じる。

格付け会社はESG経営の収益面での影響だけでなく、対象企業の事業が環境や人権を含む社会的要因にどのような影響を与えているかが格付けに反映されているかについて明示するよう求められる。

格付け会社はまた、環境、社会、ガバナンス(企業統治)の各要素を分けて評価することになる。単一のESG格付けを付与する場合は、各要素の比重を明確に示す必要があり、「社会」に人権を含めるよう義務付けられる。

環境については温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」との整合性を考慮に入れているかを示す必要がある。

EU加盟国と欧州議会は今後、規制を正式決定する見通しで、2025年中に発効するとみられる。

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