助手席に知らない男が乗り込んで車強奪→ドア開けたまま急発進→人振り落とし衝突...被害者がJ-CASTニュースに語った「カオスな状況」一部始終

車の助手席に知らない男が乗り込んできた――。2024年1月下旬、Xで投稿されたポストが話題となっている。

その後車は奪われ、走行中の車にぶつかる事故を起こした。一体何があったのか。J-CASTニュースは車の持ち主である投稿者に詳しい話を聞いた。

ドアロックは車速連動、ゆっくり走っていたのでロックされていなかった

知らない男が車の助手席に乗り込んで車を奪い、走行中の他の車にぶつかったという投稿は、2月6日までに4万8000「いいね」、1万4000回リポスト、2516万回表示され大きな反響を呼んだ。投稿者は「理解できない事案」と驚きを隠せない。投稿には「この事件怖すぎる」「何故そんな事に...」「なにこれ...意味不明すぎて災難ですね」などと驚愕する声が寄せられている。

J-CASTニュースは車の持ち主で投稿者の「リアルグラセフ@車乗っ取られた側の人←」(@GGH35_77)さんに詳しい経緯を聞いた。

事案は1月23日19時20分ごろ、北海道・札幌市白石区で起きた。

投稿者がラーメン屋の駐車場から出発しようとすると、突然知らない男が助手席に乗り込んできた。車を切り返すタイミングで止まったところ、ドアを開けられたという。

投稿者の車のドアロックは、設定された速度を超えると自動的にロックされる車速連動になっていた。ドアが開いたタイミングでは速度が十分に出ておらず、ロックがかかっていなかった。

男は車に乗り込んだ後、「乗せてってください」といい、投稿者が拒否するもなかなか降りなかった。現場を見ていた家族が謝罪に現れ、男に車を降りるよう促した。元々助手席に置いてあったパソコンのキーボードが男に踏まれ曲がっており、パソコンは故障していた。

投稿者は仕事に向かうためその場を収め、また車を出発させたという。駐車場から出て交差点に向かって車を10~15メートルほど走らせた。雪道でスピードが出せず、時速8キロほどでゆっくりと進んでいたため、ここでもドアロックがかかっていなかったという。

男の家族も足挟まれて重傷

信号待ちで幹線道路に止まっていると、再び男が車に乗り込んできた。男は車から降りなかった。男を捕まえて逃さないようにするため、交差点の内側に車を止めたという。交差点内でいつでも車を動かせるようにエンジンをつけたまま投稿者は車を降りた。

男の家族に通報する旨を伝え、携帯電話を開いていると、男と男の家族が視界から消えたと振り返る。

運転席のドアが開いているのが見え、助手席側に走っていこうとしたが、その時には運転席のドアが開いたままバックしていたという。男の家族2人は運転席のドアにしがみついたままで、引きずられながら車はバックしていった。投稿者は「どうしたらいいんだこれ。なんだこのカオスな状況」と思ったという。

車は走行中の他の車と衝突し、路肩に寄せられた雪の山にぶつかった。その後勢いが止まらず、電柱のワイヤーに当たったという。

男の家族のうち1人は足を巻き込まれ、振り落された。もう1人も車に足を挟まれ大けがを負った。

投稿者は、自身で110番をしたという。

「車速ドアロックで満足せずに、ドアロックは乗ったらすぐ閉めるのが大切」

投稿者の車は23年の6月に納車されたもので、人生初めての新車だったという。

「働いて買った車だったので、切ないなと...」

男に踏まれ故障したパソコンなどを含め、被害額は総額で約700万円にのぼるという。投稿者は被害届を提出する意向だ。

事件・事故を振り返って投稿者はこう振り返る。

「車速ドアロックで満足せずに、ドアロックは乗ったらすぐ閉めるのが大切だと思います。また何かあってもすぐにエンジンを切っておくこと。自分の身はやっぱ自分で守るしかないんだなと改めて感じました」

取材の中で、投稿者はドアロックの大切さを終始説いていた。

投稿者は普通の生活に戻るまで時間がかかっており、生活に支障が出ていると話す。一方で、Xにはクラウドファンディングを募る声など温かい言葉も寄せられているとし、「僕は前を向いて生きてます」と語った。

(J-CASTニュース編集部 井上果奈)

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