「口座残高がマイナス50万円」という知人。そんなことありえるのでしょうか?

口座残高がマイナスになる仕組み

預金残高は、残高があればマイナス表記にはなりません。
しかし、クレジットカードや残高を超えた自動支払いにより、口座からお金が自動で引き落とされるとき、預金残高が足りないとマイナス表記になります。
これは、銀行側が自動で借り入れを行っているためです。

マイナス表記を解消するためには、不足分を自分で口座へ入金する必要があります。
口座へ入金すれば、借り入れ分の返済として扱われて、返済が完了するとマイナス表記はなくなります。
なお、自動で借り入れが行われることを自動融資といい、自動融資を受けるには、定期預金口座やカードローン口座などが必要です。
事前に申請が必要ですので、注意しましょう。

残高をマイナス状態で放置するとどうなる?

マイナス状態になっても、すぐに返済できない方もいるでしょう。
すぐに返済できず、結果として放置を続ける状態になると、利息が発生し続けます。
借りたお金よりも多くのお金を返済することになりますので、なるべく早く返済することが大切です。

放置すればしただけ利息が発生する

自動融資をした場合の利息は、銀行ごとに定められています。

例えばある銀行では、定期預金口座の約定利率に年0.50%を加えた数値が貸越利率です。
約定利率が0.05%の場合、マイナス残高になると、貸越利率は0.55%になります。

もし、この例で100万円が足りず、銀行から自動融資されると、100万円×0.55%として、年間5500円の利息になります。
もちろん、放置するだけ利息は発生し続けますので、できるだけ早くマイナス状態を解消しましょう。

自動融資のメリット

口座がマイナス状態にはなりますが、自動融資を使えるようにしておくと、メリットもあります。
まず、公共料金の未払いを防げることです。

自動融資の対象となるのは、公共料金の支払いも含まれています。
自動融資を受けられなければ、電気代などの支払いが延滞状態になることもあり得ます。
しかし、自動融資を利用することで、公共料金の支払い自体は完了できますので、税金の未払いによる延滞税の発生なども防げます。

また、急な出費に対応できる点もメリットのひとつです。
冠婚葬祭が重なったことで出費が増えた場合も、払い戻しにも対応しているため、現金の用意ができます。

口座残高のマイナスはなるべく早く解消する

口座残高がマイナスになった場合は、銀行により自動で借り入れが行われたことの証しです。
自動融資は、公共料金の未払い予防や急な出費に対応できるというメリットがある一方で、放置を続けると利息が発生します。
マイナス状態になったときは、なるべく早く口座に入金して返済しましょう。

出典

三井住友信託銀行株式会社 よくあるご質問(Q&A) Q:普通預金の残高がマイナスになった場合、どのように解消すればよいですか

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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