情報BOX:中国株式市場、昨年7月以降の下支えに向けた措置と動き

[7日 ロイター] - 7日の中国株は2年ぶりの大幅高となった前日に続き上昇している。年初来では依然として下落しているものの、当局が市場の信頼回復と安定に向けた取り組みを強化していることが背景だ。

昨年7月から今月6日までのこれら措置・動きをさかのぼる形で以下にまとめた。

<2024年2月6日>

・ブルームバーグ・ニュースは、習近平国家主席が金融規制当局と株式市場について協議すると報道。

・中国証券監督管理委員会(証監会)は、空売り規制強化の一環として、株券転貸を抑制すると発表。

・中国政府系投資会社の中央匯金投資は、上場投資信託(ETF)への投資を拡大すると発表。

・中国証取、一部ヘッジファンドの株式売却を制限

<2月5日>

・証監会は、株式市場の値下がり圧力を和らげるため、証券業界に対して信用取引を行っている投資家への証拠金の追加差し入れ請求(マージンコール、追い証)までより時間的な猶予を持たせるよう指導すると表明。また、悪質な意図を持った空売りや相場操縦などを徹底的に取り締まる方針も改めて明らかに。

・中国国営の中国国際金融(CICC)などの国内証券会社が、国内投資家による国境を越えたクロスボーダーのスワップ取引を制限していることが分かった。

・証監会は、国内株式市場が5年ぶりの安値を付けたことを受け、株式担保融資のリスクを防ぐため、状況を注視し、強力な対策を講じると発表。

<1月31日>

・中国の政府系投資家「国家隊」が低迷する株式市場を支えているもよう。

<1月28日>

・証監会は、最近の株価急落を受けた市場安定化策の一環として、新たに29日から譲渡制限付き株式の貸し出しを一時的に全面停止し、不法行為を「断固として」取り締まると発表。

<1月24日>

・中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は、預金準備率を0.5%ポイント引き下げると発表。2月5日から適用。

<1月23日>

・中国当局は低迷する株式市場の救済策として、国有企業が中国本土以外に持つオフショア口座などから約2兆元を原資に使う安定化基金を検討。ブルームバーグ・ニュースが関係者の話として報道。

<1月22日>

・中国株の急落を受けて中国の李強首相が議長を務める閣議は市場の信認を支えるためにより強力で効果的な措置を講じるとの方針を示した。中国国営の中国中央テレビ(CCTV)が報道。

閣議では「中国は景気回復の上昇傾向を確固たるものとし、資本市場の安定的で健全な発展を促進する」との方針を表明。市場への中長期的な資本を増やし、市場の「内部の安定」を強化すると訴えた。

<1月5日>

・複数の関係筋によると、証監会は、国内の一部の大手投資信託会社に対し、債券ファンドなどよりも株式ファンドの発売を優先するよう窓口指導を行った。

<23年12月1日>

・国有の中国国新控股は、ハイテクに特化したインデックスファンドを購入し、今後も保有を増やすと発表。

<11月27日>

・北京証券取引所は、上場企業の大株主による株式売却を阻止する新方針を事実上導入。事情に詳しい関係筋3人が明らかに。

<11月11日>

・証監会は銀行、社会保障基金、その他長期投資家に対し、中央政府管轄の国有企業が発行する技術イノベーション債への投資を促すと発表。

<10月30日>

・10月に自社株買い計画を発表する中国上場企業が増加する一方、資産運用大手の易方達基金管理は自社商品に投資すると発表。

<10月23日>

・中央匯金投資は同社のウェブサイトで、ETFを購入したと発表。「将来的に(ETFの)保有を増やし続ける」と今後も購入を継続する方針を示した。

<10月14日>

・中国証券監督当局はセンチメント改善に向け、証券貸出事業を制限し、不適切な規制裁定に対する監視を強化すると発表。

<9月21日>

・中国規制当局が一部のヘッジファンドや証券会社を対象にクオンツ取引戦略に関する調査を開始したことが分かった。複数の関係筋が明らかにした。国内株式市場が回復に苦慮する中、株価の下落やボラティリティー(変動)から利益を得られるセクターに対する反発が強まっているという。

<9月1日>

・証監会は株式のプログラム取引への監視を強化すると表明。

<8月28日>

・株式取引にかかる印紙税を50%引き下げ。

<8月27日>

・証監会は新規株式公開(IPO)のペースを抑制し、主要株主の株式保有削減を一段と規制すると発表。また、国内の証券取引所が信用取引の要件を引き下げたと明らかに。

<8月24日>

・中国証券監督当局は、国の年金基金やウェルスマネジメントファンドなど中長期投資家に株式投資を増やすよう促すと表明。

<8月18日>

・証監会は、株式市場を活性化し投資家の信頼を高める措置を発表、取引コストの引き下げ、自社株買いの支援、長期資本の導入を実施すると表明。

<7月10日>

・中国の投資信託大手12社以上は投信商品約1500本の手数料を引き下げた。規制当局は3兆7000億ドルの規模を誇る投信業界の手数料改革に乗り出している。

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