【能登半島地震】発災1か月あまり…復旧進む一方で十分な支援届かぬ被災地域も(静岡から現地取材報告)

能登半島地震から1か月あまり。これまでに241人が死亡、11人の行方が分かっていません。被災地の光景は、少しずつ変化が生まれています。

(杉本 汐音 記者)

「木のぬくもりが感じられるこちらの仮設住宅には、トイレが風呂が完備されています」

さらに、道路の復旧なども少しずつ進んでいます。

(杉本 汐音 記者)

「ひび割れた道路はアスファルトで固められ、道路を復旧している様子がうかがえます」

しかし、支援の手は十分に届いていない状況です。

Daiichi-TV取材班は2月、輪島市門前町にある避難所へ。私たちは過去2回この場所を訪れていました。

1か月ほど前には雪の影響で停電し、室内では冷たい床に寝ている方がいましたが…室内には段ボールベッドが置かれ土足は禁止されるなど感染症対策がとられていました。さらに屋外には、新たにお風呂が設置されていました。こちらの避難所は避難者で協力し厳しい避難生活を何とか続けている状況です。

(避難生活を送る人)

「ひと月たっても、何も変わらない、食事を各自でとるようになったのはありがたいが、生活自体は変わらない。早く仮設住宅に入りたいんですけど、無理みたい」

さらに、仮設トイレも設置されていますが…

(避難生活を送る人)

「杖をついたり段差が危なくて仮設トイレを使えない方は、ここのトイレを使わざるを得ない。結構使われる方はいらっしゃる」

避難する人の中には、お風呂やトイレに行く際に介助を必要とする高齢者もいますが、住民同士の支え合いだけでは限界もあるといいます。

さらに、被災地で課題となっているのが、がれきの撤去です。道路の復旧が遅れ、重機を使った作業が進んでいないのです。地震から1か月以上たった2月4日、ようやくNPO法人が重機を使った作業をすることができました。

(NPO法人 Vネット 川上 哲也 理事長)

「東日本大震災と比べても遅い」

Q:復旧が遅れている要因は?

「交通事情があまりにも悪すぎる」

この日、作業していたのはコメ農家を営む東さん夫婦の住宅。正月の集まりで10人ほどで団らん中、地震に襲われました。2時間ほどかけ、倒壊した小屋からトラクターを引き出しました。

(東 克芳 さん)

「これだけが心配だった、また頑張れる」

「また米作って!」

(東 克芳 さん)

「そうだね」

被災者が、生活再建に向け一歩を踏み出すための支援がいま、求められています。

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